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SI 解析(えすあいかいせき)
英訳:SI analysis
SI解析とは
SI(Signal Integrity)とは信号品質を意味します。
PCI Express, DDRx, SATA, HDMIなどインターフェースの高速化が進む昨今において、ドライバICからレシーバICまで信号を正しく伝送することが難しくなっています。
信号品質に影響を与える主な要因としては下記現象が挙げられます。
- 基板の配線層の切り返し、部品の挿入など伝送線路のインピーダンス不整合による反射
- 近接する伝送線路との容量、誘導結合によるクロストーク
- 多ビット信号の同時スイッチングによる電源・グラウンドバウンス
これらの影響を考慮した信号品質の事前検討が、高速伝送線路の設計において必要不可欠な要素となっています。
解析フロー
Ansysでは、上記で述べた信号品質に影響を与える現象を考慮したSI解析が可能です。
解析結果
1. 伝送線路の反射特性(S 11 )と通過特性(S 21 )
伝送線路の反射・損失量を求めます。
モード変換(コモンモード、ディファレンシャルモード)も考慮可能です。
パラメータを可変して値を比較検討することにより、より良い伝送線路設計にご活用いただけます。
また、反射・損失量が規定されているインターフェースにおいては、スペックに対するマージンを確認可能です。
2. アイパターン波形
任意の測定ポイントにおける電圧・電流波形を求めます。
この結果から、デバイスが求めるアイマスクに対するマージンを確認可能です。
また、DDRなどの基準信号に同期するインターフェースにおいては、それら信号間のスキューを確認可能です。
3. TDR波形(Time Domain Reflectmetry )
伝送線路にパルス信号を印加し返ってくる反射波形から、時間軸に対するインピーダンスを求めます。
この結果から、コントロールしたい特性インピーダンス許容値を満足しているかを確認可能です。
また、配線幅などのパラメータを可変することにより上記を満足する設計値の検討にご活用いただけます。
図. 配線幅を可変したTDR波形
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