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主ひずみ(しゅひずみ)
英訳:principal strain
3次元物体内には、任意の直行座標系の座標軸を面法線とする微小な立方体領域に対して3成分の垂直ひずみと3成分のせん断ひずみ、計6成分のひずみが作用しますが、これらの値は座標系を変更すると変化するため、材料が受ける負荷の評価に適しません。
そこで、線形代数における対称テンソルの固有値と固有ベクトルの考え方を用いて対角化した主ひずみテンソルを新たな評価指標として導入します。
主ひずみテンソルは、せん断ひずみがゼロになる座標系Cpを基準としたひずみテンソルであり、主ひずみテンソルの垂直ひずみ3成分を主ひずみと呼びます。
なお、対角化前のひずみテンソルでは、せん断ひずみには工学ひずみの1/2の値が使用されます。
主ひずみは、値の大きい方から順に「最大主ひずみ(ε 1 )」、「中間主ひずみ(ε 2 )」、「最小主ひずみ(ε 3 )」と定義され、最大主ひずみは材料にかかる最大の引張りひずみの評価、最小主ひずみは最大の圧縮ひずみの評価に使用されます。
一般的に使用される単位
- 無次元量のため単位はありませんが、しばしば100を乗じて%で表されます。
Ansysにおける取扱い
- Ansysでは、最大主弾性ひずみをEPEL1と略して表記することがあります。中間主弾性ひずみはEPEL2、最小主弾性ひずみはEPEL3となります。
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