CAEを学ぶ
初期条件(しょきじょうけん)
英訳:initial conditions
初期条件とは、解析をどのような状態からスタートするかを規定する条件のことです。主に時刻歴応答解析や非定常解析で用いられます。
以下に、よく使われる初期条件の例を示します。
初期条件を利用した解析例1 非定常伝熱解析(過渡伝熱解析)
高温の物体(左)を低温の物体(右)に接触させたときに、時間が経つにつれどのように熱が伝わっていくかを観察する解析例です。
それぞれの物体に初期温度を定義しています。
解析を実施すると、左から右へと熱が伝わり、高温の物体は温度が低下し、低温の物体は温度が上昇していく様子が観察できます。
この例では高温の物体は温度が一様であるとしていますが、温度分布を持たせることも可能です。
初期条件を利用した解析例2 時刻歴応答構造解析による自由落下解析
ある高さから物体を自由落下させ、地面に衝突したときの挙動を観察する解析例です。
このような問題では、実際の高さの位置に物体をモデル化するのではなく、物体が衝突する瞬間の位置に物体をモデル化します。そして衝突時の速度を見積り、初期条件として初期速度を与えます。
解析を実施すると、物体が地面に衝突し、跳ね返る様子が観察できます。
Ansysにおける取扱い
- Ansysでは温度や速度などの初期条件を設定できます。
- 定常伝熱解析など他の解析結果を初期条件として設定することも出来ます。
CAE用語辞典の転載・複製・引用・リンクなどについては、「著作権についてのお願い」をご確認ください。