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ランダム振動解析(らんだむしんどうかいせき)
英訳:random vibration analysis
ランダム振動解析とは、周期性がない様々な周波数成分を含んだランダムな振動荷重を受けたときに構造物に発生する加速度や応力などを、統計的な手法により求める解析手法です。
ランダムな振動荷重とは、たとえば自動車が走行している際に道路の路面から受ける振動などがあります。路面から生じる加速度などの荷重はあらかじめ決まっているわけではなく、走るたびに異なると考えられます。そのため、時刻歴解析で値を正確に予測することはできません。
そこで、このような荷重履歴を統計的に特性を表して、解析に利用する方法がとられます。
時刻歴の入力波形は周期性がなく、様々な周波数が含まれます。ランダム振動解析では、この入力波形を統計的な手法により、各周波数ごとの発生頻度を表すパワースペクトル密度(PSD: Power Spectral Density)に変換して荷重として使用します。
PSDのイメージ図を以下に示します。なお、PSD 曲線の下の領域の平方根は、励振の二乗平均平方根値を表します。たとえば、加速度のスペクトル値の単位は、G 2 /Hzです。

ランダム振動解析では、入力荷重が統計的なため、出力される結果も統計的なものになります。
応力や変位などの結果は、たとえば1σ時の結果(発生確率が約68%でこの値が発生する)という具合に出力されます。応答PSDも出力できます。

ランダム振動解析で得られた結果を用いて、疲労寿命を求めることもできます。
Ansysにおける取扱い
- Ansysはランダム振動解析に対応しています。
- ランダム振動解析結果を利用した疲労解析にも対応しています。
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