CAEを学ぶ
熱応力解析(ねつおうりょくかいせき)
英訳:thermal-stress analysis
一般に材料は温度が上がると膨張し、下がると収縮します。
熱応力解析とは、温度変化による材料の膨張・収縮に伴い発生する、構造物の変形や応力を観察する解析です。
熱応力解析には大きく分けて2通りあります。
1つ目は、既知の一様な温度分布を構造物に物体荷重として付与して、初期温度との差により全体を膨張または収縮させる構造解析を行なう方法です。
この方法では、もし構造物が何ら拘束されておらず、材料も同一であれば、均等に膨張(または収縮)するため応力は発生しません。膨張や収縮を妨げる拘束があれば、拘束部を中心に応力が発生します。
また、構造物が異なる材料から構成される場合、材料により熱膨張率が異なるため、材料の界面を中心に応力が発生します。
もう1つは伝熱解析で温度分布を求めて、構造解析の境界条件とする方法です。場所により温度が異なる場合には、こちらの方法がより正確な解析を行えると期待されます。
この方法は、伝熱と構造の2種類の解析を組み合わせて行なう伝熱-構造連成解析と呼ばれます。連成解析にはいくつか種類がありますが、一般に片方向連成解析という手法が用いられます。
Ansysにおける取扱い
- Ansysは上記2種類の解析に対応しています。
- また、構造、熱流体、電磁場、圧電 音響など、多くの場の連成解析に対応しています。
CAE用語辞典の転載・複製・引用・リンクなどについては、「著作権についてのお願い」をご確認ください。