CAEを学ぶ
ミーゼス応力(みーぜすおうりょく)
英訳:von Mises stress / equivalent stress(相当応力)
ミーゼス応力とは垂直応力とせん断応力から計算されるスカラー量の応力です。フォンミーゼス応力、相当応力とも呼ばれます。
主応力を用いて以下のように表記することもできます。
ミーゼス応力は、σ eqv =σ y (定数)として主応力空間で図示すると、σ 1 =σ 2 =σ 3 を中心軸とする半径σ y の円筒表面になりますが、これは塑性材料におけるフォンミーゼスの降伏条件を表しています。
ミーゼス応力は3次元物体の任意点における複雑な応力状態を、正のスカラー量として表しています。せん断ひずみエネルギー説に基づいて導かれた値で、延性材料の単軸降伏応力と等価に比較することが出来るため、強度評価にしばしば利用されています。
ミーゼス応力には引張・圧縮の区別がないため、下図のような梁の曲げ問題では上面(引張)と下面(圧縮)とも同じような応力状態になります。青く表示されている箇所は、引張・圧縮ともに応力があまり高くない場所と見ることができます。
応力の引張・圧縮を区別するには、主応力結果がわかりやすいです。たとえば最大主応力を表示すると引張応力が大きな箇所が観察できます。
一般的に使用される単位
- SI単位では Pa(パスカル)
- 長さをミリメートルとした場合 MPa(メガパスカル)
Ansysにおける取扱い
- Ansysではミーゼス応力をSEQVと略して表記することがあります。
CAE用語辞典の転載・複製・引用・リンクなどについては、「著作権についてのお願い」をご確認ください。