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メタマテリアル(めたまてりある)
英訳:metamaterial
メタマテリアルは、人工的な構造によって電磁気学的な特性を制御し、誘電率と透磁率を操作することができる物質です。メタマテリアルが作り出す光学特性の一つに負屈折率物質があります。メタマテリアルの誕生初期に負屈折率物質の創造を目的とし、Pendryによって分割リング共振器(Split Ring Resonator : SRR)が提案されました。SRRは環状金属構造にギャップが空いた構造であり、環状構造が微小コイルの役割を、ギャップがコンデンサの役割をそれぞれ果たし、全体としてLC回路構造になっていました。普通の光学的な媒質では、斜めに入射した光を含む電磁波は入射面で多少屈折されますが、負の屈折率を持つメタマテリアルを媒質とする場合は、その経路の折れ曲がる方向が逆になります。
メタマテリアルは金属やプラスチックなどの様々な素材から作られ、例えば金属線の格子構造や銀ナノ粒子で作られたものなどがあります。従来の材料では実現不可能だった電磁気学(光)的な特性を人工的に実現することができ、情報通信、光学系、エネルギー分野などの応用が期待されています。具体的な応用分野としては、マイクロ波、ミリ波帯に関する技術では、5Gや6Gに対応した指向性を持った電波反射板、広範囲操作レーダー・極薄型アンテナ・薄型ICタグ、光波帯に関する技術では、非線形光学デバイス・熱くない電球・メタマテリアル塗料など様々な応用が期待されています。
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