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混相流(こんそうりゅう)
英訳:multiphase flow
混相流(Multiphase flow)とは、気体や液体、固体など、さまざまな相の物質が混ざり合って流動している状態を示します。「多相流」と呼ばれることもあります。混相流は、自然現象や化学反応などを取り扱う際によく出てきます。機械工学、原子力工学、化学工学、土木工学、資源工学、宇宙工学、環境科学、医生物化学などでよく取り扱います。
混相流には、どの相が混じっているかでさまざまに分類されます。例えば、気液二相流(気体と液体)、固気二相流(固体と気体)、固液二相流(固体と液体)、液液二相流(液体と液体)、固気液三相流(固体と気体と液体)などがあります。
気液二相流は、沸騰した湯、ガスを多く含んだ炭酸水の流れなどがそれにあたります。固気二相流は、花粉のような微粒子が空中を飛んでいるような流れを示します。固液二相流は、液体の中に固体が浮遊しているような流れであり、溶けている最中の氷や雪、血液などにあたります。液液二相流は、まさしく「水と油」の関係であり、2つ以上の液体が混ざり合っていない流れのことを言います。固気液三相流については、液体と固体、気体が全てある流れなので、鋳造型や原子炉の内部などで見られます。
なおAnsys Fluentをはじめとした数値流体力学ソフトウェアでは、混相流に対するモデルを有しており、現象に応じたモデル化を行っていきます。例えば液面を表現する場合、『連続的な液体と気体の液面』には液体の自由表面を解くVolume of Fluid(VOF)法を用います。この方法は河川の液面のようなイメージをお持ちください。同時に液面を表現する場合に、液滴が空間中に『分散した状態』も考えられます。この場合にはEulerianといった手法を用いて解いていくことになります。
その他、Ansys Fluentには粒子が分散した状態を解析するEuler-Granular法、粒子を解析対象としたDiscrete Phase Model(DPM)法などの混相流に適したモデルが各種用意されています。
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