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幾何学的非線形(きかがくてきひせんけい)
英訳:geometrically nonlinear
幾何学的非線形とは、形状が大きくひずむ、または回転することによって、解析に非線形性が現れる状態のことです。
代表的な幾何学的非線形として、大ひずみ、大回転およびストレススティフニングがあります。
大ひずみは、要素がひずむことによる剛性変化を考慮します。下図の例では、要素が伸びて細くなるに従い、引張方向の剛性が低下していきます。

大回転は、要素が回転することで全体剛性に寄与する局所的な要素剛性の方向の変化を考慮します。下図の例では、要素が回転するに従い、XおよびY方向の剛性が変化していきます。

ストレススティフニング(幾何剛性または微分剛性とも呼ばれる)は、面内応力(膜応力)が面外剛性に与える影響を考慮します。
面内に引張を受ける(張力がかかる)と面外剛性は上昇します。太鼓などの膜鳴打楽器やギターなどの弦楽器で張力を上げると固有振動数が上がる(=音程が高くなる)ことで一般に知られる現象です。
逆に面内に圧縮を受けると面外剛性は低下します。これは、圧縮荷重を受けるスチール製橋脚基部の地震振動によるちょうちん座屈などで見られる現象です。

Ansysにおける取扱い
- Ansysでは大変形効果をONにすると、幾何学的非線形を考慮できます。
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