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ひずみ(ひずみ)
英訳:strain
外力を受ける物体は変形します。ひずみとは、伸び量を物体の元の長さで割ることで単位長さあたりの値としたものです。ひずみは長さ/長さの関係で導かれるので無次元量となります。

このような概念を用いるのは、材料にかかっている負担を評価しやすくするためといえます。
例えば、ある長さの棒が1mm伸びたとします。もし長さが10mmであれば、棒には大きな負担がかかっているのは容易に想像できます。長さが100mmならば、棒にはそれほど大きな負担はかかっていないと想像できます。
このときの伸び量は、棒の長さに関わらず1mmと同じになりますので、伸び量だけでは、材料に対してどれだけの負担がかかっている(壊れやすい)のかを判断できません。

ここで、単位長さあたりの伸び量に換算したひずみという概念を利用します。
前述の例では、棒の軸方向のひずみは伸び量を棒の長さで割って求められます。長さが10mmであればひずみは0.1、長さが100mmであればひずみは0.01となり、材料にかかる負担に10倍の差があることを定量的に表すことができます。
なお、ひずみは長さの単位を持つ伸び量を、長さで割っていますので、単位は消えて無次元量となります。
ここではひずみを単純化して説明しましたが、CAEではひずみはスカラー量ではなくテンソル量やベクトル量として扱われ、その成分は正負の符号を持ちます。詳しくは「垂直ひずみ」「せん断ひずみ」の項目をご覧ください。
一般的に使用される単位
- 無次元量のため単位はありませんが、しばしば100を乗じて%で表されます。
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