CAEを学ぶ
EMC(いーえむしー)
英訳:Electromagnetic Compatibility
EMCとは、Electromagnetic Compatibility の略語で、日本語では電磁環境両立性と呼ばれます。
EMCは、電子機器のノイズに関する2つの考えから成り立ちます。
EMI(Electro Magnetic Interference)
EMIは、Electro Magnetic Interference の略語で、日本語では電磁妨害、電磁干渉と呼ばれます。
電子機器から放出されるノイズが、他の電子機器や人体に影響を及ぼす現象です。
電気機器から放出される不要なノイズをエミッション(emission)と呼び、電子機器の設計を行う上で、これを抑制する対策が必要となります。
電子機器から放出されるノイズ
電子機器から放出されるノイズの測定結果
3m遠方界電界強度スペクトラム[dBuV/m]
EMS(Electro Magnetic Susceptibility)
EMSは、 Electro Magnetic Susceptibility の略語で、日本語では電磁感受性と呼ばれます。
他の電子機器からのノイズにより、対象の電子機器の動作に影響を及ぼす現象です。
電子機器の外来ノイズに耐える能力をイミュニティ(immunity)と呼び、電子機器を設計を行う上で、この耐性を高める対策が必要となります。
電子機器が外部から受けるノイズ
電子機器が外部から受けるノイズの測定結果 電界強度[V/m]
EMC解析事例
1. EMI(放射ノイズ): 近傍電磁界分布と遠方界の電界強度スペクトラム
対象機器のPCBをノイズ源とし、遠方界の電界強度[dBuV/m]を求めます。
実機にて問題となり得る周波数を見極め、その帯域の電磁界分布を確認することで対策案の検討にご活用いただけます。また、各規格に対するマージンを確認可能です。
2. EMI(伝導ノイズ): 雑音端子電圧[dBuV]
スイッチング素子などを搭載した電源回路をノイズ源とし、LISN(疑似電源回路網)を負荷とした雑音端子電圧[dBuV]を求めます。また、各規格に対するマージンを確認可能です。
3. EMS(伝導イミュニティ): 放電経路、波形
外来ノイズが印加される箇所に、これを模擬した電流、電圧波形を入力し、対象物とその周辺における電界の時間的変化を確認することで、外来ノイズの放電経路を可視化することができます。また、回路シミュレータとの連携によりノイズが誘起した電流、電圧波形を確認することができ、EMS対策部品の有効性を確認可能です。
図. PCBの放電経路
CAE用語辞典の転載・複製・引用・リンクなどについては、「著作権についてのお願い」をご確認ください。