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大変形(だいへんけい)
英訳:large deflection
大変形とは、要素が変形することにより要素剛性が影響を受ける効果を考慮する機能のことです。幾何学的非線形とも呼ばれます。
要素の変形が微小な場合、要素の剛性は一定であると仮定して差し支えなく、線形問題として取り扱えます。ところが変形が大きくなると、剛性変化を招く様々な現象が出現し、その影響は無視できなくなります。
このような剛性変化を考慮し、非線形問題として取り扱う解析が大変形解析です。
幾何学的非線形には、大回転、大ひずみ、ストレススティフニングと呼ばれる効果があります。詳しくは各項目をご覧ください。
以下のような解析では、大変形解析を使用することが推奨されます。
【大変形解析を行なうかどうかの指針】
- モデルの一部でも、回転角度が1度を超える場合。
- モデルの一部でも、ひずみが3%を超える場合。
- 非線形材料(塑性や超弾性など)を用いている場合。
- 解析の途中で接触状態が変わる場合。
- 誇張(スケール倍)せずに表示した変形結果が、目視で変形しているとわかるレベルの場合。
- 微小変形でよいかどうか判断がつかない。(大変形解析と微小変形解析の結果がほとんど変わらなければ、どちらでもよい)
Ansysにおける取扱い
- Ansysでは大変形オプションをONにすると、大回転・大ひずみ・ストレススティフニング効果が考慮されます。 (一部の要素タイプを除く)
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