CAEを学ぶ
CAD(きゃど)
英訳:Computer Aided Design
CADとは、Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)の頭文字をとったもので、コンピュータを用いて設計することを指します。
三次元CADと二次元CADがありますが、CAEでは三次元CADデータを利用するのが一般的です。
分野別に各種のCADが用意されていますが、CAEでは機械系CADデータがもっとも多く利用されます。解析の種類によっては電気系CADデータも利用されます。
CAEでは、CADデータをそのまま利用することもできますが、いくらか編集を加えて利用することが多いです。
CAEでよく利用されるCADデータの編集例をご紹介します。
例1: 不要な形状の削除・マージ
CAEでは小さな面やフィレット、突起・刻印などは、結果に影響がないものとして削除して利用することがあります。小さな面の場合は、周囲の面とマージすることもあります。
メッシュ作成を容易にし、メッシュ数を低減して計算コストを下げる効果があります。

例2: 対称モデルの作成
CAEでは対称な形状であれば、片側だけモデル化して、対称面に対称条件を定義して解析することがよくあります。作成されるメッシュ数を低減して計算コストを下げる効果があります。また、構造解析では解析の安定性に寄与する場合もあります。

例3: 空間ボリュームの作成(流体解析・電磁場解析など)
流体解析では、構造物の方ではなく空気(流体)部分の解析を行います。 しかし三次元CADデータでは一般に構造物しかモデル化しないため、流体部分のモデルはCAE用に改めて作成する必要があります。
下図は、筐体等に囲まれた閉空間をモデル化した例と、モデル周辺の空間をモデル化した例です。


例4: 境界条件設定用の面作成
CAEでは、荷重条件や支持条件(拘束条件)をモデル上の面に対して設定します。三次元CADモデルで面が存在しない場合は、面を分割するなどして作成する必要があります。
下記の例は、工具と六角ボルト頭部が接する部分にて、工具の面を分割したものです。

例5: 中立面作成(シェルモデルの場合)
CAEで薄板形状の解析をする場合、シェルモデルを使用することがよくあります。解析規模を減らし、計算コストを削減できます。
シェルモデルを作成するには、中立面(板の厚みの中心を通る面)を作成する必要があります。


例6: 形状修復
CAD上では問題のないように見えても、CAEでメッシュ作成できないケースがあります。原因は様々ですが、不正な面が存在したり、目に見えない小さな面やエッジ等があるために失敗することが多いです。
ある程度はCAEソフト側で修正できますが、CADで根本的な修正が必要になることもあります。

動画:SpaceClaimによる形状修復・空間ボリューム作成・中立面作成例
上記例1,3,5,6でご紹介した編集作業例を、アニメーションでご覧いただけます。
Ansysにおける取扱い
- Ansys製品にはSpaceClaimというCADソフトがラインアップされています。
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