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ビンガム流体(びんがむりゅうたい)
英訳:bingham fluid
ビンガム流体(Bingham Plastic Fluid、塑性流体)は、一定の力(せん断応力)をかけることで粘性に変化が起こり流動し始める流体のことを指します。流動し始める応力値を「降伏応力」と言います。
ビンガム流体は、自然の中や日常生活の身近なところにあります。さまざまなものが混じった粘り気が強い(高い粘度)ものがそうです。例えば、絵の具や塗料など容器やチューブを握るなどある程度力をかけないと外に出てこない、あるいはバターやマーガリンのようにナイフなどの食器で押さないと広がらないなど、硬めのペースト状のものなどがそれにあたります。粘土(スラリー)やアスファルト、溶岩流もビンガム流体に該当します。
ビンガム流体は非ニュートン流体のモデルの一種です。流れのせん断応力が流れの速度勾配が比例する流体を、ニュートン流体といいます。すなわち非ニュートン流体は、この比例関係が成り立たない流体ということになります。非ニュートン流体はビンガム流体のほか、ダイラタント流体と擬塑性流体などがあります。
流体解析ソフトウェアには、ビンガム流体を表現するための「ビンガムモデル」があります。コンクリートの流動解析などでよく用いられます。
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