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座屈(ざくつ)

英訳:buckling

座屈とは、構造物に荷重を徐々に負荷したときに、ある荷重で急に変形が大きなたわみを生じる現象のことです。

特に細長い形状や薄い板形状では、圧縮強さ以下の荷重であっても、大きく変形し破壊に至ります。

CAEでの座屈の解析には、大きく分けて線形座屈解析と非線形座屈解析の2種類があります。

線形座屈解析は固有値座屈解析とも呼ばれ、固有値問題として計算します。この手法では、理想化された弾性構造物の理論座屈荷重を予測します。しかし、実際の構造物では初期不整と非線形性によって、座屈荷重は理論的な値よりも小さくなります。そのため、一般的に危険側の結果が得られます。

座屈挙動をさらに正確に予測するには、非線形座屈解析(大変形効果を含めた静的構造解析)を用います。この解析では、荷重を徐々に大きくして、構造が不安定になる荷重レベルを調べます。初期不整、大変形挙動などを考慮できます。また、構造物の座屈後の挙動を追跡することもできます。
ただし、非線形座屈解析は不安定な挙動を計算するため、安定化させるための様々なテクニックが要求され、解析時間も長くなります。

座屈解析 線形及び非線形座屈解析

座屈解析は、座屈荷重(構造物を不安定にさせる臨界荷重)と座屈モード形状構造物の座屈応答に関係する特徴的な形状)を決定するのに使用されます。


ヒンジシェルの座屈解析

樹脂製キーボードスイッチの変形解析

解析の種類

線形(固有値)座屈解析

固有値座屈解析は、理想的な線形弾性構造物の理論的な座屈強さを求めるものです。

非線形座屈解析(ポストバックリング)

非線形座屈解析は、実際の構造物のより正確な座屈荷重を求める時に使用されます。

適用事例

  • フレーム材の座屈解析(固有値座屈、非線形座屈)
  • 押しボタンの座屈解析(固有値座屈、非線形座屈)

Ansysにおける取扱い

  • Ansysは線形座屈解析、非線形座屈解析ともに対応しています。

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