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構造解析

送り軸ボールねじの熱剛性評価

Ansys による伝熱解析

2021年11月

工作機械等の送り軸に用いられるボールねじは、位置決め精度としてμmオーダの精度が求められます。一方で、送り軸稼働によりボールねじが発熱するため、熱変位により位置決め精度が変化してしまいます。従来、試作機での実測結果や簡便な設計計算を基に送り軸の熱変位対策が行われてきましたが、試作評価での手間やコスト、設計計算時の定式化や複数の稼働条件などの不確実性があるために試行錯誤で検証されています。
そこで、本稿ではAnsys伝熱解析を用いて容易かつ素早く、熱変位に関するより詳細なデータを得られる事例を紹介します。

送り軸ボールねじの熱剛性評価のサンプル

解析の目的

送り軸モデルを用いて、ボールねじとサーボモータの発熱による昇温と熱変位の分布を求めます。加えて、熱変位を抑制するために設計段階で検討が必要なボールねじの予張力を、支持軸受に生じる熱膨張の軸反力として取得します。

解析条件

発熱源として300 Wのサーボモータ、摩擦によりボールねじはストローク区間で一様発熱すると仮定し、等熱流束1,300 W/m2を与えます。部品間の接続部に関して、サーボモータとベース鋳物の間、および支持軸受部内の軸受とハウジングとの間のそれぞれに接触熱伝導係数45,000 W/m2Kと5,00 W/m2Kを設定します。周囲への放熱として、静止部と回転部の熱伝達係数を10 W/m2Kと50 W/m2Kをそれぞれ与えます。基本的なメッシュサイズは30 mmとし、形状に応じて5 mmおよび10 mmのメッシュサイズを局所的に適用しています。

解析結果(ボールねじ軸方向変位量)

ボールねじの軸方向変位量を、変位量の絶対値として示します。これは、温度分布を入力データとした静的構造解析によって得られ、凡例は0~60 μmの範囲です。ボールねじの両端部で大きな変位量がみられ、中央部の変位量は比較的小さいことがわかります。

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