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Rocky DEMでの破砕プロセスを予測するための粒子破砕モデル
2021年11月
破砕による粒子径の減少を正確に予測することは、離散要素法(DEM)にとって最も困難な問題と言えます。破砕プロセスを表現するには、正確な破壊モデルが必要です。この記事では、ファイバー、シェル、ソリッドといったさまざまなタイプの粒子形状について粒子の破砕を予測できるRocky DEMで利用可能な手法とモデルについて説明します。また、これらの手法の課題、利点、限界についても説明します。
目次
離散要素法(DEM)の概要
離散要素法(DEM)は、複数の粒子の運動と相互作用を仮想的に再現することができるシミュレーション手法です。Rocky DEMでは、粒子の種類に応じて、異なるエネルギー閾値基準に基づいて、さまざまな材料の破砕挙動をシミュレーションするための異なる破砕アプローチを適用することができます。瞬間的な破砕モデルは、破砕物の粒度分布が重要となる粉砕産業において有用です。一方、離散的な破砕モデルは、破断のメカニズムや亀裂の伝播を研究する場合に有効です。
瞬間的な破砕モデル
破砕プロセスにおけるRocky DEMシミュレーションの伝統的なアプローチで、実際の破砕まで粒子を単一のエンティティとして考えます。これらのアプローチでは、Ab-T10モデルまたはTavares Breakage Modelを使用します。どちらの瞬間断片化モデルも、破砕現象を正確に表現し、ミル、シュレッダー、コーン・クラッシャー、ジョー・クラッシャー、ハンマーミル、高圧粉砕ロールなどの鉱山機械を解析するために一般的に使用されています。
離散破砕モデル
破砕は、粒子が衝突接触を受け、亀裂が伝播し、粒子を維持している接合部の「接着剤」が徐々に剥がれていくことで、断片が作られます。要素の切り離しは、選択した破砕基準によって、表面エネルギーやせん断応力に基づいて行うことができます。Rockyには実装されている、グリフィス表面エネルギー規準、せん断応力基準、ファイバー粒子の破砕、シェル粒子破砕、カスタム形状の粒子の破砕についてご説明します。