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ラティス構造の均質化解析
ラティス・均質化・3Dプリント・積層造形・Multiscale.Sim
2021年7月
積層造形(3Dプリンタ)を用いた製造技術が発展し、これまでは作成することのできなかった最適かつ複雑な形状が製造できるようになりました。その中でラティス形状は積層造形物の補助材や軽量化を目的として使用されています。また、それ以外にも形状により材料挙動を制御可能であるという特徴も有しており、生体適合性の観点から材料の代替の利かない医療分野などをはじめ、多くの分野に使用されています。ラティス形状には様々な種類があり、種類によって変形挙動が異なります。そこで様々な形状のラティス形状がどのような挙動を示すのかを均質化解析を用いて確認します。
目次
- はじめに
- モデリング
- 均質化解析
- 均質化解析の精度検証
- 使用ソフトウェア
ラティス形状のモデリング
Multiscale.Simのモデリングテンプレート機能を用いてラティス形状のユニットセルを作成します。ここでは図に示す6種類のラティス形状を解析対象とします。各ユニットセルのX、Y、Z方向1辺を10mmとし、構造部分が占める体積含有率を30%に統一してモデリングしています。つまり、ラティスを用いない均質材料と比較して70%の軽量化を実施していることになります。
均質化解析
Multiscale.Simの線形均質化機能を用いて各ユニットセルに対し線形数値材料試験を実施し、等価物性値の算出を行います。ラティス構造の種類によりそれぞれ異なった材料挙動を示します。同じ素材かつ同じ軽量化性能(体積含有率)を持たせているにもかかわらず、形状を制御することで非常にバリエーションに富んだ材料挙動を設計できることが分かります。ラティス形状からなる構造体を作成する際も、ただ軽量化を目的とするだけではなく、これら材料挙動を考慮したうえで設計することでより高性能な製品を作成することが可能です。
均質化解析の精度検証
均質化解析で求めた材料物性値の妥当性について確認するために、マクロ構造解析を実施します。マクロ構造物に対して、前述したラティス形状を実際に作成したモデル(直接モデル)と等価物性値を与えて均質体に置換したモデル(均質モデル)とで結果を比較することで検証を行います。