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静電容量式センサーの連成解析(タッチペンの解析)

公開日:2020年01月
キャパシターを利用したセンサーではその変形とキャパシタンスの変化の特性を利用するアプリケーションがあります。タッチペンのようなセンサーもその1つです。キャパシターの特性が意図した性質を示すか、数値シミュレーションで計算しようとした場合、構造解析と電場解析の連成解析が必要となります。一般的なソフトウェアでは片方向連成(シーケンシャル連成)を利用することが多く、構造解析で各位置の変形のモード(形状)を求め、その後その変形形状を電場解析に転送して連成解析を実施するため、煩雑な作業が必要となってしまいます。ここでは、Ansysの連成場要素をAnsys Workbench Mechanicalで利用し、1回の解析実行だけで変位VSキャパシタンスを求める方法を紹介します。
目次
- はじめに
- 解析の目的・背景
- 解析手法
- 解析モデルと解析条件
- 解析モデル
- 解析条件
- 解析結果
- 使用ソフトウェア
タッチペンの解析モデル
アルミが下に移動することで上部の電極が撓み、ゴムと上部電極で挟まれた空間が小さくなります。また、さらにアルミが下に移動すると間の空間が潰れて、電極がダイレクトにゴムに接します。この状態を模擬するため、上部電極とゴムの間にも摩擦あり接触を定義しています。
構造・電場の連成解析
キャパシターの変形に合わせて、キャパシタンスが変化する様子、および、キャパシターが初期と異なる材質に接した際のキャパシタンスの変化をAnsysでシミュレーションを実施します。ここでは、Ansysの連成場要素を利用し、構造と電場を1つのマトリクスで計算することで、形状の転送といった煩わしい操作をせずに、目的の特性を求めます。また、オプションを入れることで、クーロン力を考慮した変形を求めることも可能です。Ansys Workbenchでは構造-電場のダイレクト連成解析は標準のGUIでは実施できないため、コマンドを挿入することで比較的容易に複雑な解析を表現します。
電位分布や相当応力の表示
解析結果をエクセルで編集することなく、Mechanical上で移動量とキャパシタンスの関係をグラフで表示できます。そのため、キャパシタンスの各位置の電位分布の状態も同画面で確認できます。実際と同様に抵抗の長さが長くなるのと同時に抵抗値が線形に増加していることが確認でき、解析の結果が問題ないことが把握できます。また、構造解析も同時に計算していますので、変形量や応力分布も確認できます。その他、電流密度や発熱量も出力されます。
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