CYBERNET

資料ダウンロード

構造解析

振動特性のトポロジー最適化解析


公開日:2020年01月
一般的にトポロジー最適化は、剛性を維持しつつ不要な部分を削って最適な材料配置を求める解析として知られていますが、このような設計は簡単ではありません。よく知られているように固有振動数は質量と剛性のバランスで決まります。固有振動数は剛性が高いまたは質量が小さいほど高くなりますが、軽量化しようすれば材料が減って剛性が落ちてしまいます。質量と剛性は相反するため、試行錯誤を繰り返しながら検討していくというケースが多いかと思います。そのような場合に、振動特性のトポロジー最適化が役立ちます。本資料ではAnsysを用いた振動特性のトポロジー最適化の解析例をご紹介します。

目次

  • はじめに
  • 解析の目的・背景
  • 解析手法
  • モーダル解析
    • 解析モデル
    • 解析条件 (モーダル解析)
    • 解析結果
  • トポロジー最適化解析
    • 解析条件
    • 解析結果
  • 強度と振動特性の両方を考慮したトポロジー最適化解析
    • 解析手法
    • 解析条件
    • 解析結果
  • 解析によって得られた効果
  • 使用ソフトウェア

モーダル解析

最初にAnsysでモーダル解析を実施します。解析モデルとして、周囲の4つの穴を固定したプレート形状を使用します。解析すると1次モードは、図に示す中央部が面法線方向に揺れ動くモードとなりました。ここから1次固有振動数をできるだけ大きく保ちつつ軽量化を検討するならば、変形が大きい中央部よりも、変形が少ない周辺部を削った方がよさそうに思われます。実際にどのような形状が良いのか、トポロジー最適化解析で確かめてみます。

モーダルのトポロジー最適化

Ansysで解析すると図に示す結果が得られました。事前の予想通り、中央部の材料が残り、周辺部の材料が削られた形状となりました。なお、トポロジー最適化で得られた形状はSTL形式で出力することができますので、3D CAD等に取り込んで利用することができます。

強度と振動の両方を考慮したトポロジー最適化結果

前述の方法で振動特性を考慮したトポロジー最適化を実施できましたが、強度の要件も満たす必要があるとしたらどのようにすればよいでしょうか?振動特定を考慮したトポロジー最適化の解析結果を見ると、固定部から中央部に向かう途中に細い部分が生成されており、強度に不安が出てもおかしくありません。このような場合に、Ansysでは強度と振動特性の両方を考慮したトポロジー最適化解析ができます。それぞれのトポロジー最適化結果を比較してみると、図のようになります。強度と振動を両方考慮したものは、振動のみ・強度のみそれぞれの結果の間をとったような形状になっていることがわかります。

Ansys、ならびにANSYS, Inc. のすべてのブランド名、製品名、サービス名、機能名、ロゴ、標語は、米国およびその他の国におけるANSYS, Inc. またはその子会社の商標または登録商標です。その他すべてのブランド名、製品名、サービス名、機能名、または商標は、それぞれの所有者に帰属します。本ウェブサイトに記載されているシステム名、製品名等には、必ずしも商標表示((R)、TM)を付記していません。 CFX is a trademark of Sony Corporation in Japan. ICEM CFD is a trademark used by Ansys under license. LS-DYNA is a registered trademark of Livermore Software Technology Corporation. nCode is a trademark of HBM nCode.