資料ダウンロード
圧電振動発電解析

公開日:2019年12月
近年、ネットワーク技術の発展に伴いさまざまなモノをインターネットにつなげるIoTへの期待が高まっています。IoTを活用するための課題として、モノに取り付けた小型センサーなどへの電力供給の問題があげられます。電源から各所に設置されたデバイスに有線で電力供給するには配線の手間がかかります。そこで注目されているのが、環境中に存在する光や熱、振動といった微小なエネルギーを電力に変換するエナジーハーベスト技術です。ここでは外力を加えると電位/電荷を発生する圧電素子を用いて、効率的な発電方法を検討する解析例をご紹介します。
目次
- はじめに
- 解析の目的・背景
- 解析手法
- 圧電解析ツール「Piezo Pro」のご紹介
- 解析モデル
- 解析条件と解析結果(モーダル解析)
- 解析条件と解析結果(周波数応答解析)
- 考察
- 解析によって得られた効果
- 使用ソフトウェア
環境振動と発電素子の周波数
発電素子は図のようにプレートに圧電素子を取り付け、先端に錘がついた形状を考えてみます。環境振動の周波数と発電素子が持つ固有振動数が一致すれば共振して大きな振動エネルギーが得られる、つまり効率的に発電できると予想されます。そこでモーダル解析を用いて、(圧電素子は変更せずに)プレートや錘の形状(剛性・ 質量)を変化させることで、固有振動数が一般的な環境周波数に近い120Hz程度になるように調整します。続いて周波数応答解析で加振力を与えて強制的に振動させたときの、目的とする周波数近傍での発電量を調査します。
解析結果:モーダル解析
まずはモーダル解析で発電素子の固有振動数を調べてみます。解析すると固有振動数と固有モードが表示されます。解析結果を見ながら、1次の固有振動数が200Hz程度になるようにプレートや錘の形状を変えて調整します。今回の例では調整前の固有振動数が94Hzでしたので、錘を軽くして120Hz程度(実際には119.76Hz)になるように調整しました。
解析結果:周波数応答解析
調整した形状に周波数応答解析で加振力を加え、振動させたときの発電量を求めてみます。解析すると、モーダル解析で予想されたように119.7Hzで共振していることがわかりました。この周波数でもっとも大きな振動エネルギーが得られる(=発電量が大きい) ことがわかります。Piezo Proを利用すると電極の電位や電流結果も出力できます。
関連情報
関連する解析事例
MORE関連する資料ダウンロード
MORE-
バッテリー電極におけるカレンダ加工時の膜温度の最適化 ~Ansys CFDによるソリューション~
~Ansys CFDによるソリューション~
-
コントローラ&センサのデータ駆動型シミュレーション
~データ駆動によるロボットのモデリングと制御設計~
-
デジタルツインによるシステムシミュレーション
~実稼働環境を事前検証したロボットのセンサー・制御設計~
-
EMCのお悩みありませんか? ~EMCソリューション~
-
ガラス炉の燃焼効率向上・NOx削減ソリューション ~Ansys Fluentによるソリューション~
~Ansys Fluentによるソリューション~
-
炭素回収・利用・貯留におけるCO2の削減 ~Ansys Fluentによるソリューション~
~Ansys Fluentによるソリューション~
-
仮想環境で実現するマシンビジョン設計~Ansys Speosによるカメラ&照明最適化ソリューション~
~Ansys Speosによるカメラ&照明最適化ソリューション~
-
構想設計ですぐにリアルタイム検証 ~解析専任者ゼロでも使いこなせるAnsys Discovery~
~解析専任者ゼロでも使いこなせるAnsys Discovery~