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粘着テープの90°引き剥がし試験解析

公開日:2019年12月
本資料では粘着テープの粘着力を測定する試験を再現した解析をご紹介します。接触剥離の機能を用いて、テープを引っ張るにつれて端から徐々に剥がれていく様子を模擬します。接触剥離のモデル化には CZM(Cohesive Zone Model:粘着領域モデル) という手法を利用します。実際の試験結果との比較を行うことで、解析で取り扱う粘着テープの材料物性や剥離応力を合わせこむことができます。
目次
- はじめに
- 解析の目的・背景
- 解析手法
- 解析モデルと解析条件
- 解析モデル
- 解析条件
- 解析結果
- 解析によって得られた効果
- 使用ソフトウェア
接触剥離のモデル化 : CZM(Cohesive Zone Model:粘着領域モデル)
接触剥離のモデル化にはCZMという手法を利用します。CZMでは、固着接触に設定した「最大接触応力」を超える接触応力が接触面に発生すると、その後接触ギャップが大きくなるにつれて接触応力が下がっていき、最終的に接触ギャップが設定した「剥離完了時の接触ギャップ」に達すると接触応力がゼロの剥離完了状態となり、接触面が分離します。なお、本解析では剥離面の接触剛性係数を高く設定することが重要となります。
粘着テープ・粘着シート試験の方法、寸法に準拠した解析モデルを作成
実際の試験結果と比較を行いやすいよう、JIS Z 0237粘着テープ・粘着シート試験の方法、寸法に準拠した解析モデルを作成しています。また、積層シェル要素を用いて、両面テープ粘着層と試験時に裏面に貼り付けるPETフィルム層とを1つの要素で表現しています。更に1/2対称モデルとし、被着体の鋼板を剛体、テープの幅方向を1要素のメッシュとすることで、計算を効率的に行うことができます。鋼板を固定し、テープ端を上方向に変位させます。
接触応力と剥離中のテープ端反力
始めは鋼板に貼り付けられていない部分を持ち上げているためテープ端に反力は生じませんが、接着面が引っ張られ始めると、接着面端部から順に接触応力が上昇し、それに伴いテープ端に反力が発生します。ここで、テープ端の変位量が増加しても、接着面の接触応力は設定した最大接触応力以上には上昇せず、最大接触応力に達した接着面端部から順に剥離していくため、剥離中のテープ端反力はほぼ一定のまま推移します。
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