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エンジニアリングシミュレーションによって劇的な変化を遂げているスポーツ
公開日:2019年12月
スポーツのプロ選手、コーチ、アマチュア選手は、パフォーマンスの向上、快適さの確保、怪我のリスクの大幅な軽減を図る方法を常に探っています。その一方、スポーツ用具メーカーは、イノベーションを迅速化するとともに、極めて過酷な条件に晒されることがある製品の信頼性を最大限に高める技術を調査する必要があります。エンジニアリングシミュレーションは、特定の条件下での機器、アスリート、システム(アスリート、機器、用具から成る)の挙動を予測できる実績のある技術です。コンピュータベースのモデリングを利用すれば、重要なパラメータがアスリートのパフォーマンスにどのような影響を及ぼすか、またどのようにして怪我を最小限に抑えたり悪化させたりするかを確認し、把握することができます。
目次
- ベストパフォーマンスの追求
- スポーツ分野の新たな技術
- シミュレーションが実際にスポーツにもたらすものとは?
- サイクリング
- 水泳
- セーリングとローイング
- ゴルフ
- ラケットスポーツ
- ウィンタースポーツ
- ウェアと保護具
- パラリンピックスポーツ
- 徐々に導入されていくシミュレーション
- 今後は?
サイクリング
サイクリストのパフォーマンスは、空力特性と重量の2つの主要な技術パラメータによって左右されます。たとえば、様々な部品の形状を変更するとともに、複合材料などの他の材料を使用すれば、耐風性を低下させることなく、自転車を軽量化しながら、その剛性を高めることができます。しかし、改良を加えた自転車が依然として重要な使命を果たせるかどうかを確認するには、自転車やその部品の構造挙動を予測することが不可欠です。
セーリング
セーリングチームは、パフォーマンスを向上させつつ、長距離レースにおける用具の信頼性を最大限に高めるために、エンジニアリングシミュレーションに多額の資金を投じています。セーリングチームとヨット設計者は、風の強さと方向に関係なく、風力エネルギーを確実に捕捉できるようにするため、特に帆と風の相互作用に注意を払っています。また、抗力を最小限に抑えるために、船体と水の相互作用も調査しています。悪条件に晒されている間にヨットが発揮するロバスト性も重要です。設計者がシミュレーションを利用すれば、自然の力を受けるマスト、船体、帆をモデリングして信頼性を確保することができます。
ラケットスポーツ
テニス、バドミントン、スカッシュのラケットの設計者は、重量を最小限に抑え、強度を最大限に高めながらも、プレイヤーがインパクトの感触を体感できるように、振動が伝わるようにする必要があります。エンジニアリングシミュレーションは、新しいプロトタイプの詳細なパラメータ化モデルを作成して、数百万種類もの設計案をテストし、最良のラケットを開発するのに役立っています。