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Ansys Workbenchを使用したMEMSマルチフィジックスシミュレーション
公開日:2019年12月
マイクロミラーは、ディスプレイ、携帯型プロジェクター、その他の光学デバイスに、単独でまたはアレイとして使用する、MEMSデバイスです。マイクロミラーアレイの照射の焦点を合わせるには、それぞれのミラーを一定の角度で回転させなければならず、その角度はインスタンス(事例)やアプリケーションごとに異なります。これらのミラーの整列には、回転と横たわみ(幾何学的非線形性)が関係します。Ansys Mechanical、Ansys ACTおよびAnsys Workbenchを使用して、マイクロミラーを含むMEMSデバイスに関連する、非常に難易度の高い非線形幾何学の数学的問題を解決することができます。
目次
- 課題
- 使用シミュレーションツール
- 静電場ー構造シミュレーション
- 結果
- 静電場ー構造ー流体の過渡シミュレーション
- ACT + WORKBENCH
- まとめ
MEMSデバイスの幾何学的非線形性
スイッチ、ジャイロスコープ、マイクロミラー(図)など、多くのMEMSデバイスは大きく回転します。通常、これらのデバイスのスイッチは両端に拘束があり、横たわみの影響を受けます。多くのMEMSデバイスで、大たわみと応力硬化の両方の問題が発生します。シミュレーションプロセスでこれらの現象に適切に対処しないと、ソリューション結果の誤差が大きくなる可能性があります。MEMS製造プロセスに起因する初期応力と呼ばれる別の要因により、デバイスに著しい残留応力が残る場合があります。選択した有限要素の初期応力状態を指定して、残留応力をシミュレーションします。
静電場ー構造シミュレーション
アクチュエーションと「プルイン」の観点からマイクロミラーの性能をキャラクタライズするには、静電場ー構造シミュレーションが不可欠です。電圧を0Vから50Vまで変化させ、再度、50Vから0Vにします。非線形連成電気機械トランスデューサ要素(TRANS126)を使用して、静電場領域と構造領域を連成しました。ヒステリシス、静電プルイン、破壊、解放など、さまざまな効果を観測しました。非線形の経路依存解が得られました。
静電場ー構造ー流体の過渡シミュレーション
TRANS126要素を過渡解析に使用しました。双方向流体-構造連成解析(FSI解析)により、空気制振を確定することができます。すべての構造は何らかの形の制振特性を持ちます。構造の過渡解析に制振を含めると、逆問題を解決することができます。つまり、過渡構造制振のどのパラメータにより、FSIで空気制振に関する同等の結果が得られるかを判断することができます。