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構造解析

ガラス製非球面レンズのモールドプレス成形に関する数値シミュレーション


公開日:2019年11月
高解像度が要求される一眼レフカメラや液晶プロジェクタなどでは強度・屈折率・耐熱性の観点からガラス製光学レンズが主に使用されています。さらに、デバイスの小型化や性能向上の要求に応えるため非球面レンズが積極的に採用されるようになっています。本資料では、ガラス製非球面レンズの成形を対象とした有限要素解析を実施し、ガラスへの金型形状の完全転写を実現するための最適な成形温度および成形圧力を解析します。

目次

  • はじめに
  • 解析の目的・背景
  • 解析手法
  • 解析モデルと解析条件
    • ガラスの熱粘弾性特性の同定
    • 解析モデル
    • 解析条件
  • 解析結果
    • 加圧工程における最適成形条件の調査
    • 成形性におよぼす金型形状の影響
    • 熱収縮による形状誤差を考慮した金型形状の再設計
  • 考察
  • 解析によって得られた効果
  • 使用ソフトウェア

モールドプレス成形

ガラス製非球面レンズでは、金型を用いたモールドプレス成形法が一般的に採用されています。モールドプレス成形ではガラスを加熱した後、圧力を付与して金型形状をガラスに転写し、冷却を行います。ガラスは応力とひずみの関係が温度と時間に依存する熱粘弾性体であるため、有限要素解析を用いた数値シミュレーションにより、モールドプレス成形の最適条件を明らかにすることを目的とします。

加圧工程における最適成形条件の調査

モールドプレス成形に用いられる金型では、成形後のレンズ肉厚を制御するために金型外周部にストッパーを設ける場合があります。ストッパーありモデルを用いて630~680℃の6種類の成形温度において成形圧力を変化させて加圧工程における構造解析を実施しました。レンズに金型形状が完全転写するために必要な成形圧力は、660℃以上においてはあまり低下しないことが明らかになったため、より好適な成形条件を明らかにするために、660℃、670℃ 、680℃の3条件について、レンズ内部の最大応力の時刻歴を詳細に調査しました。

成形性におよぼす金型形状の影響

レンズ肉厚を制御するためのストッパーの有無が非球面レンズの成形性に及ぼす影響を調査します。ストッパーありモデルとストッパーなしモデルの形状誤差と成形中のレンズの内部応力を比較した結果、ストッパーなしモデルは形状誤差の観点では良好なものの、冷却中も成形圧力が作用するため内部応力が高く破損する可能性が大きいことがわかりました。

熱収縮による形状誤差を考慮した金型形状の再設計

まず、前述のレンズ上下面の形状誤差を多項式によって近似します。初期の非球面式に形状誤差の近似式を加算することで補正後の金型の非球面式を算出しました。 金型形状補正後の解析モデル(ストッパーありモデル)を用いて成形解析を実施したところ、レンズ上下面ともに金型形状を補正することで、成形後の非球面レンズの形状誤差が極めて小さくなっており、熱収縮による形状誤差を取り除くことに成功しました。

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