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構造解析

超音波プラスチック溶接の動的接触解析

2019年9月

本解析事例は、熱可塑性プラスチックの接合法である”超音波プラスチック溶接法”により、円筒形状プラスチック部品の接合過程動的挙動を有限要素法による動的接触解析にて予測し、その駆動周波数と溶接特性の関係を評価したものです。

目次

  1. はじめに
    • 福井大学大学院工学研究科機械工学専攻・鞍谷・吉田研究室のご紹介
  2. 解析の目的・背景
  3. 溶接実験
  4. 動的接触解析
    • 接触解析有限要素モデル
    • 解析方法
  5. 解析結果
  6. 考察
  7. 解析によって得られた効果
  8. 使用ソフトウェア

溶接実験

受台(Fixture)にプラスチック部品の一方(Lower part)を置き、その上にもう一方のプラスチック部品(Upper part)を重ねます。その後、超音波ホーン(Horn)を上側部品に押し当て、エアシリンダでホーンを押すことで上側部品に溶接圧力(静加圧力)を与えます。静加圧力を与えながらホーンで上側部品に超音波振動を印加すると、部品間の接合部接触面で摩擦発熱さらに接触面近傍で内部発熱が生じ、その結果、接触面近傍のプラスチックが溶融して接合部が溶接されます。

動的接触解析

溶接実験では図に示す測定点A(上側部品)および測定点B(下側部品)の半径方向振動変位を、レーザー変位計を用いて測定しました。動的接触解析ではプラスチック部品が溶融する前の接合部の動的挙動を評価対象とします。

解析結果:接合部の振動変位

動的接触解析で得られた超音波印加中の静加圧力を考慮した解析結果を基に、駆動周波数15kHzと19kHzの違いが接合部の動的挙動に及ぼす影響を検討しました。駆動周波数15kHzでは上下部品節点の振動変位の中心がほぼ同一位置であることから部品間で接触と分離を繰り返すような衝突挙動が生じていると推察されます。19kHzの場合、図のように上下部品の波形はほぼ同相であることから、上下部品が接触した状態で振動しているものと推察されます。

解析結果:接合部の相当弾性ひずみ、すべり量と接触力

接合部接触面近傍のひずみは内部摩擦発熱を助長し、プラスチックを効率よく溶融させます。そこで、上下各部品の接合部における相当弾性ひずみを調べました。さらに、接合部接触面における摩擦も接合部の発熱につながるため、摩擦エネルギー算定の基となるすべり量と接触力についても調べました。図は、相当弾性ひずみ(累積)を示しています。

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