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機械設計者がCAEで失敗しない8つの重要ポイント

2019年4月
解析を設計の道具として使う設計者には、解析を深く学んでいる時間はありません。しかし、後で大きな利益損失を生まないためにも、自身の解析に最低限のチェックポイントを設けることは重要です。本資料では、できるだけ間違うことなく設計者が解析を行うために知っておきたい必要最低限のチェック・ポイント8つをご紹介します。設計者が材料力学や有限要素法の基礎知識を持っていることを前提としています。
目次
- はじめに
- ポイント1. 線形解析の意味を理解する
- ポイント2. 要素は2次を使う
- ポイント3. ミーゼス応力と主応力
- ポイント4. まずは変形量を確認する
- ポイント5. 材料の降伏応力を把握しておく
- ポイント6. 解析は収束を見る
- ポイント7. 構造/拘束/荷重の粒度を合わせる
- ポイント8. 特異点の特定と除去
- まとめ
線形静解析の意味を理解する

設計者が行う構造解析のほとんどは線形静解析だ。線形静解析は応力と歪みの関係が無限に線形という仮定で,荷重と変形・応力も線形に比例する。解析結果を評価する線引きをするのが降伏応力だ。現実では折れたり,ひびが入ったり,曲がったりするが線形解析の世界ではそれは起こらない。解析結果のミーゼス応力が降伏応力を超えていたら,形状を変更してミーゼス応力を下げるか,ミーゼス応力を上回る降伏応力を持つ材料に変えるなどの変更が必要となる。
要素は2次を使う
設計者は手作業でメッシュ分割をしている時間はない。3次元CADの形状をベースに自動でメッシュ分割を行うのが設計者解析の通例だ。自動では4面体の要素しか生成できない。要素には,形状の頂点のみに節点がある1次要素,要素の辺上に中間節点がある2次要素がある。4面体の1次要素は精度が悪い。メッシュ・サイズによって結果が大きく変わる。必ず2次要素を使うこと。

ミーゼス応力と主応力

応力の成分を統合して工学的に利用できるようにしたのが,ミーゼス応力と主応力だ。ミーゼス応力は大きさしか持たないスカラー値で材料の降伏応力と大小を比較し,構造として壊れるか否かの判断ができる。主応力は大きさと方向を持つベクトル値で壊れようとする方向がわかる。壊れようとする方向がわかれば対策に役立つ。ミーゼス応力で大きさを,主応力で方向を知ることが結果考察の第一歩だ。
まずは変形量を確認する
設計者が知りたいのは応力だ。解析が終わったらすぐにでも応力を確認したくなる。はやる気持ちを抑えて,まずは変形を確認すること。応力は歪みから,歪みは変形量から計算される。荷重の符合を間違えて想定とは全く逆の方向に載荷している場合がある。加えて変形量が常識的かどうかもチェックする。解析のミスの2/3 は単位系のミスだ。変形量を確認することは単位系のチェックにもなるし,工学的なセンスを高める訓練にもなる。

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