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フロントローディング実現に期待と需要が高まる「設計者CAE」の現状と今後の展望

2019年4月
フロントローディングの実現に必要なCAEが、設計者に敬遠される理由とは?「図解 設計技術者のための有限要素法はじめの一歩」など、著書や講演多数の実績を持つ弊社シニア・スペシャリスト栗崎彰による機械設計者向けの記事です。設計者CAEの導入・運用を成功させるためのポイントや、設計者CAEの今後の展望について解説します。
目次
- フロントローディングを実現するためのツール
- 設計者CAEの現状と課題
- 設計者CAEの方向性
- 設計者CAEの導入・運用を成功させるためのポイント
- 解析データの管理
- まとめ
フロントローディングを実現するためのツール

設計・製造・保守のプロセスを改善する手法の1つとして,「フロントローディング」はすでによく知られた概念だ。設計変更は後工程になればなるほど難易度を増す。一方で,設計変更に要するコストは後工程になればなるほど高くなる。設計変更のコストが低いうちに製品の質を高める努力をすることがフロントローディングである。設計業務量カーブのピークを前倒しするためのツールが「シミュレーション」である。3次元CADは「形状の仮想試作」であり,CAEは「性能の仮想評価」だ。この両輪でフロントローディングを実現しようとしている。
設計者CAEの現状と課題
設計者にとって3次元CADが必須のツールとなっている会社が少なくない一方,両輪のはずのCAEに目を向けてみるとその浸透度合いは今ひとつだ。設計業務にCAE を積極的に使わない主な理由は、「解析作業には手間と時間がかかる」、「解析作業または解析時にエラーが起こる」、「構造以外の別事象(流体や磁場)に簡単に対応できない」の3つだ。この3つの課題を解決できれば、解析頻度,適用範囲,修得効率が向上する。

設計者CAEの方向性

設計者CAEは,より難しい方向へ行く傾向がある。単品部品からアセンブリへ,線形から非線形へ,固有振動数から応答へと現象としても解析としても難しい方向に向かう傾向がある。アセンブリに関しては、構造解析の基本となる材料力学は連続体に対しての学問であることに注意する必要がある。アセンブリは連続体ではないため,界面のモデル化が適切でないと解析の精度は期待できない。設計者CAEは,単品部品まで落とし込んで行うべきである。
解析データの管理
設計者による解析でも,専任者による解析でも解析データの管理を考えなければならない。CADデータはPDMシステムによって厳重に管理されているものの,解析データとなるとほとんど管理されていない。CADとCAEのデータの重要性をもっと真摯に考えるべきだ。CADデータの主データは形状であるが,CAEはこれに加え,材料,境界条件,応力などの性能情報が含まれる。CADデータと同様またはそれ以上に厳重に管理されるべきである。

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