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電磁界解析

EMI ルールチェッカーと 電磁界シミュレータによる EMC 対策

EMI ルールチェッカーと 電磁界シミュレータによる EMC 対策

情報誌「CAEのあるものづくり」 vol.38|2023年5月|EMI ルールチェッカーと 電磁界シミュレータによる EMC 対策

目次

  1. はじめに
  2. PCBシステムのノイズ解析
  3. EMCルールチェッカーDEMITASNXとは?
    • 3.1  DEMITASNXのチェックルール
    • 3.2  EMIルールチェック概要
    • 3.3  EMIルールの信憑性
  4. ルールチェッカーと電磁界解析
    • 4.1  配線のプレーン跨ぎ
    • 4.2  迂回(ミアンダ)配線
    • 4.3  差動ビア
  5. まとめ
  6. DEMITASNX製品構成
  7. 動作環境(DEMITASNX)

はじめに

昨今5G 、IoT 、DX 、オートモーティブの電動化など新しいデジタル技術への取り組みや技術革新がはじまっており、関連した電子デバイスやPCBシステム製品のノイズ品質による課題も急増しています。ノイズは製品そのものの安定動作だけではなく、EMCとして対内外機器の回路動作にも影響を与え、規格化もされているため、企業側にとっても取り組まなければならない深刻な問題となります。ここではノイズの問題を EMCと称しますが、これに対し今まで取り組んできた「カットアンドトライ」方式では、期間と人員、設備を含めた設計コストの増大を招いてしまい、シミュレーションでこれを解決したいという要望は年々増えています。
しかしながらシミュレーションを導入して成果を出している企業は、ノウハウ構築のために一定の時間とリソースを費やしており、リソース確保の問題からシミュレーションの導入に二の足を踏んでいる企業も多数存在します。その中で多く使用されているのが「ルールチェッカー」であり、実際に効果を発揮している例も多数存在しています。

ここではEMCの問題を効率的に解決するためのソリューションとして「EMIルールチェッカー」のご紹介をするとともに「ルールチェッカーとシミュレーションの併用による効果」について説明します。

PCBシステムのノイズ解析

PCBを用いた電気製品の主なノイズの原因は、PCBを含む電気回路から発生するノイズです。ここでは IC(LSI)はガイドラインに従い正しい回路が形 成されていると仮定して話を進めます。回路が正しく構成されていても製品を構成するPCB、筐体、ケーブルが原因で予期しないノイズが発生してしまうことがあります。その要因は様々ですがPCBはノイズ発生源となる要素が多く、PCBのノイズを抑制することはEMCの課題にとってもっとも重要なテーマとなります。

EMCルールチェッカー DEMITASNXとは?

DEMITASNXはNECが開発した「EMI抑制設計支援ツール」です。PCBにおけるノイズ発生の要因を、理論と研究のノウハウを織り交ぜ、15種類のルールチェックと共振解析により、初心者でも使いやすく構成されています。ここではDEMITASNXのルールチェックに着目してご紹介をいたします。

図1 DEMITASNX画面図1 DEMITASNX画面

3.1 DEMITASNXのチェックルール

DEMITASNXのチェックルールを以下に示します。

【リターンパス系】
① GVプレーンまたぎ② リターンパス不連続
③ 基板端④ SGパターン有無
⑤ SGパターンヴィア間隔

【電源系】
① プレーン外周② デカップリングキャパシタ
③ LSIグランド分離④ デジアナ干渉

【配線系】
① 配線長② ヴィア数③ 放射電界
④ フィルタ⑤ 差動信号⑥ 配線結合性

3.2 EMIルールチェック概要

DEMITASNXでは、ルールの閾値等は推奨値としてすべて設定済のため、対象ネットと部品属性を設定すれば直ぐにチェックを実行できます。以下にデザインフローを示します。

DEMITASNXデザインフロー 図2 DEMITASNXデザインフロー図2 DEMITASNXデザインフロー

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