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電磁界解析

Ansys Motor-CADによるPM(Permanent Magnet)モータの熱設計の基礎

2021年1月

目次

  1. はじめに
  2. モータの損失と熱
  3. 熱の伝達について
    • 3.1 伝導
    • 3.2 対流
    • 3.3 輻射
  4. モータの熱設計
    • 4.1 自然冷却
    • 4.2 強制冷却
  5. PMモータの解析例
    • ①各構成要素の損失結果
    • ②ハウジングのみの温度状態の確認
    • ③冷却方式の設定
    • ④熱解析の実施
    • ⑤過渡特性の確認
    • ⑥デューティサイクルでの解析
    • ⑦結論
  6. 最後に

はじめに

近年、EV(Electric Vehicle)の実用化が進むにつれ、車両の限られたスペースに搭載するために小型で高出力・高効率なモータの開発が進んでいます。しかし小型化による熱の課題が顕在化しており、大出力に伴う大きな発熱量を小さな放熱面積で効率よく冷却しなければなりません。

そこで効率的なPMモータの熱設計手法としてご提案するのがAnsys Motor-CADです。

前回、「熱回路網を用いたPM(Permanent Magnet)モータ熱設計のすすめ」では、熱回路の基本的な考え方とモータのコンセプト設計に力を発揮するAnsys Motor-CADを用いた解析により、PMモータの各構成要素が相互接続された熱回路を導出して熱設計への活用についてご紹介をいたしました。

本資料では、モータの熱をどのように冷却するかに主眼を置き、モータの冷却システムの基礎とAnsys Motor-CADを使用した熱設計手法についてご提案致します。

モータの損失と熱

先ず、 図1 に示すPMモータの構成要素から主な熱の発生個所とその要因を確認してみましょう。


図1 PMモータの構造

モータでは電気エネルギーを機械エネルギーに変換する際に発生する損失が熱となってモータの温度が上昇します。その主要因は、銅損と鉄損に大別されます。

銅損は巻線に大電流が流れることによってその電気抵抗により失われるジュール損です。鉄損はモータの回転によって磁界の変化が生じ、この交流磁界がステータやロータに通ることで発生する損失で、渦電流損(電磁誘導によって流れる渦電流により発生する損失)とヒステリシス損(磁界の方向が変化することによって生じる損失)に分けられます。

熱の伝達について

先に示したようなモータ内の巻線やステータ、ロータ等の構成要素の損失から発生する熱を冷却する熱設計では下記の点が重要なポイントになります。

  • 銅損と鉄損の損失低減
  • 効率的な冷却システムをモータに組み込む

損失による発熱と材料形状や物性値の変更よる損失の低減については、先の資料「熱回路網を用いたPM(Permanent Magnet)モータ熱設計のすすめ」の中でご提案しております。

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