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UV-LEDによる流水浄化装置の流体解析シミュレーション

CAEのあるものづくり |公開日:2020年09月
目次
- はじめに
- 紫外線照射量を考慮した流体解析シミュレーションのプロセス
- 水道技術研究センター(JWRC)技術審査基準とシミュレーション
- 解析事例紹介
- 受託解析のご案内
- おわりに
はじめに
医療現場や飲料水、工場での洗浄用水など、様々な分野でクリーンな水の需要が増すなかで、塩素などの薬剤を使用しない紫外線による水の殺菌が注目されています。また紫外線殺菌は、新型コロナウイルスの世界的な流行に伴い、殺菌・ウイルス不活化(以下では便宜上「殺菌」とします)技術としても注目が集まっています。加えて近年、人体に影響が少なく殺菌に最も効果があるといわれている深紫外線(UV-C)発光が可能なLEDの開発が進んだことで、水銀を使用したUVランプからの置き換えや装置の小型化といった需要も高まってきています。装置を開発するにあたっては開発スピードと確かな性能が求められますが、試作機を運転して行う供試微生物を用いた実験には多くの工数がかかるうえ、手戻りも許されません。本稿では、そのような開発の問題を解決する一つの手段として、紫外線照射量を考慮した流体解析シミュレーションについてご紹介します。
図1 紫外線を用いた流水浄化装置の模式図
紫外線照射量を考慮した流体解析シミュレーションのプロセス
紫外線照射量を考慮した流体解析シミュレーションは、UV-LEDの特性を評価する光学解析と装置内の水の流れを評価する流体解析を組み合わせて行います。解析とは条件を設定することでコンピュータの中で実験を再現するシミュレーション技術です。解析を用いることで様々な比較検討を事前に行うことができるため、試作の回数が減り、結果的に開発スピードが向上することが期待できます。
シミュレーションを実際に行うには次のような手順となります。
- 光学解析の実施
- 光学解析結果を流体解析にインポート
- 流体解析の実施
- 紫外線照射量の算出
- 評価
それぞれの手順について詳しく説明します。
図2 紫外線照射量を考慮した流体解析の手順
2.1 光学解析の実施
紫外線照射量を評価するためには、装置内の紫外線照射分布を正確に求めることが必要です。モンテカルロ法を使用した光学解析ソフトを用いると、UV-LEDの配置や配光特性、流路表面の反射率の影響を考慮した装置内の紫外線照射分布を得ることができます。例えば、LEDをコリメートするとより遠くまで紫外線が到達しますが、一方で配置によっては光源近くに影ができる可能性があります。光学解析ソフトを用いることで様々なパターンを試して比較検討することができます。
図3 光学解析の一例
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