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はんだ疲労亀裂進展解析の精度調査
疲労亀裂進展エクステンションを用いた解析事例
CAEのあるものづくり |公開日:2020年05月
目次
はじめに
弊社で開発した「疲労亀裂進展エクステンション」を用いて実施した抵抗チップのはんだ疲労亀裂進展解析(図1) について、論文に掲載されている解析結果や実験結果との比較を行いましたのでご紹介します。
また、解析を行う上での注意点(材料物性やメッシュなど)のほか、Ansysで円滑に解析を行う様々なテクニックもあわせてご案内します。
解析の目的・背景
大ひずみ低サイクル域で非線形ひずみを損傷度計算に用いる「疲労亀裂進展エクステンション」を利用すると、はんだの熱サイクル疲労亀裂進展問題を解析できます [2] 。このような問題では、解析した結果が実機の挙動とどのぐらい一致しているかが重要な評価項目となります。
本稿では、はんだ疲労亀裂進展解析手法と実験との比較が解説されている論文「高木寛二, 車載電装部品における鉛フリーはんだ接合部の高信頼性設計手法に関する研究, 横浜国立大学大学院工学府 博士論文, 2010」 [1] の「第3章 き裂進展モードを考慮したき裂進展解析方法の構築」を参考に同様の材料物性とモデルで解析を実施し、エクステンションで用いている解析手法の妥当性を検証しました。
解析手法
疲労亀裂進展エクステンションは、材料力学ベースの2D/3D疲労亀裂進展解析ツールです。本解析では損傷度算出手法はデフォルトで搭載されているManson-Coffin則の低サイクル疲労の式を使用しますが、カスタマイズにより別の式の導入も可能です。累積損傷度算出手法はマイナー則を使用しています。
- 参考文献-
[1] 高木寛二、車載電装部品における鉛フリーはんだ接合部の高信頼性設計手法に関する研究、横浜国立大学大学院工学府 博士論文、2010
[2] 石田 智裕、新しい疲労亀裂進展エクステンション開発のご紹介、Ansysものづくりフォーラム2019 発表資料、2019