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構造解析

はじめてみよう圧電解析(2)

専用ツールPiezo Proによる圧電解析入門

はじめてみよう圧電解析(2)

CAEのあるものづくり |公開日:2019年9月

目次

  1. はじめに
  2. 圧電解析専用ツールPiezo Proご紹介
  3. Piezo Proによる圧電解析入門:圧電材料の定義
  4. Piezo Proによる圧電解析入門:静的構造解析
  5. Piezo Proによる圧電解析入門:モーダル解析
  6. Piezo Proによる圧電解析入門:周波数応答解析
  7. Piezo Proによる時刻歴応答解析
  8. Piezo Proのご利用方法
  9. おわりに

はじめに

第1回では圧電解析における圧電材料の定義方法や、支配方程式について解説いたしました。本稿では弊社で開発しているAnsys用圧電解析専用ツール『Piezo Pro』を利用した解析方法について解説いたします。

圧電解析専用ツールPiezo Proご紹介

Ansysのソルバーはかねてより圧電解析に対応していますが、Ansys Workbench Mechanical(以降AWM)環境には圧電解析用のメニューが現時点(バージョン2019R1)では用意されておりません。そこで、弊社では圧電解析を手軽に実施いただくための専用ツール「Piezo Pro」を提供しております。
Piezo Proは標準の静的構造/モーダル解析/周波数応答解析/時刻歴応答解析の各解析システムと組み合わせて利用します。Piezo Proは圧電材料の定義(インポート/エクスポート可)や圧電用の境界条件定義などのメニューを、圧電ツールバーとしてAWMに組み込んでいます。

図1 圧電ツールバー
図1 圧電ツールバー

Piezo Proによる圧電解析入門:圧電材料の定義

ここからはPiezo Proを用いた圧電解析の操作をご紹介します。

3.1 圧電材料物性の定義

Piezo Proではマトリクス形式で圧電材料を入力できます。表に直接値を入れて埋める形になっており、成分を確認しながら入力できます。(図2)

図2 圧電材料物性の定義(マトリクス形式)
図2 圧電材料物性の定義(マトリクス形式)

六方晶6mmなどは必要な成分のみ入力することもでき、パラメータ化も可能です。(図3)

図3 圧電材料物性の定義(六方晶6mm)
図3 圧電材料物性の定義(六方晶6mm)

なお、一般的に用いられるIEEE規格とAnsysではマトリクスの並びが異なります。異方性弾性マトリクスと圧電マトリクスを定義する際は、マトリクスの並び変えが必要になりますので、ご注意ください。(図4)

図4 IEEE規格とAnsysのマトリクスの違い
図4 IEEE規格とAnsysのマトリクスの違い

3.2 分極方向の定義

圧電材料で定義した異方性材料の成分は、各パーツが参照する座標系に従います。デフォルトは全体直交座標系に従いますが、局所座標系を作成することで、その方向に分極方向を設定できます。(図5)

図5 Z軸方向を分極方向とした場合の定義例
図5 Z軸方向を分極方向とした場合の定義例

なお、分極の方向は圧電材料物性自体を座標変換して定義することも可能ですが、ミスしやすいため材料物性の成分は変えずに各パーツの参照座標系)で設定することを推奨します。

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