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構造解析

SMART手法によるストップホール周辺のひずみ分布評価

SMART手法によるストップホール周辺のひずみ分布評価

CAEのあるものづくり |公開日:2019年9月

目次

  1. はじめに
  2. 解析の目的・背景
  3. 解析手法
  4. 解析モデルと解析条件
  5. 解析結果
  6. 考察
  7. 解析によって得られた効果
  8. 使用ソフトウェア

はじめに

SMARTとはSeparating、Morphing、Adaptive and Remeshing Technologyの略称で、破壊力学をベースとしたリメッシングによる亀裂進展の評価手法です。本解析では、亀裂の進展を止めるストップホールに亀裂が進展する際における亀裂進展経路、荷重負荷サイクル数vs亀裂進展長さおよびひずみ分布変化を、SMART手法を用いて評価しています。

国立研究開発法人 産業技術総合研究所
センシングシステム研究センターのご紹介

IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながるSociety5.0では、人々が生活するフィジカル空間で生じるさまざまなイベントをセンシング・情報化し、サイバー空間へつなぐことが求められます。センシングの対象は自動車や工場などの機械システムや、道路や橋などのインフラ、職場や生活環境などさまざまです。中でも、対象が見えないもの、例えばウイルスなど病原体といった脅威や、人々の心身で感じている快適さや苦痛といった感性などが特に難しいとされます。当研究センターでは、これらの人々の周囲と内面の情報を見える化し、安全・安心で心身ともに健康で豊かな暮らしに貢献する高性能センシング技術の開発を目指します。産総研ではこれまでに、フレキシブル実装技術、MEMS集積技術、光センシング技術などを開発してきました。これらに加えて駆動電源やデータの無線伝送などの技術を統合し、新たなサービス創出や社会課題へのソリューション提供の鍵となるセンシングシステムを開発します。さらにセンシングシステムの研究開発を迅速に行えるプラットフォームを構築するとともに、産総研内の各研究ユニットで展開されているセンサー関連研究を集約し、産業界のニーズに応じた連携を促進することで、Society5.0時代の新たな価値のサービスを創出できる場を提供します。

解析の目的・背景

近年の車両の大型化、過積載車両の走行に伴い、鋼橋において疲労亀裂の発生が見られるようになっています。疲労亀裂の応急処置としては円孔を空けて亀裂の進展を止めるストップホールが代表的ですが、そこから亀裂が進展する事例が報告されています。一度応急処置してから、次の点検までには数年以上かかるため、その間にストップホールから亀裂が進展すると重大な事故につながる恐れがあり、亀裂進展の検出は不可欠です。
亀裂進展の検出方法として、小林ら [1] は亀裂進展時に発生するひずみ分布の変化をモニタリングするフレキシブル面パターンセンサによる方法を提案しています。
本解析では、SMART手法を用いて、ストップホールに初期亀裂が発生した場合の亀裂進展経路および荷重負荷サイクル数vs亀裂進展長さを予測し、ひずみ分布の結果を取得することより、亀裂進展時におけるひずみの変化を確認します。

解析手法

本亀裂進展解析は以下の2ステップに分けて実施されます。

●ステップ1:初期亀裂位置推定のための解析

亀裂無しモデルにて指定荷重での解析を実施し、応力結果から初期亀裂の位置および亀裂サイズを推定します。

●ステップ2:初期亀裂作成後の亀裂進展解析

初期亀裂を作成し、SMART手法による亀裂進展解析を実施します。亀裂進展解析は破壊解析をベースとし、得られた応力拡大係数範囲とパリス則の値に応じて、繰り返し荷重による亀裂進展量と繰り返し数の関係を求めます。

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