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熱流体解析

乱流モデルの使いこなし

基本のRANSから高度なLESまで

乱流モデルの使いこなし

CAEのあるものづくり Vol.29|公開日:2019年2月

目次

  1. はじめに
  2. 乱流現象の基礎
  3. RANS
  4. LES
  5. 計算事例
  6. おわりに

はじめに

「乱流」とはその名の通り、乱れた流れのことです。乱流は身の回りにあふれており、たとえば、人が歩いたときにできる空気の流れや川を流れる水の流れなども乱流です。乱流は身近な現象ですが、同時に工業的な流れの多くも乱流であり、流体解析を行う上で乱流の影響を考慮することは非常に重要です。
たとえば、乱流の効果が重要な例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 航空機や自動車のボディの空力性能
  • 電子機器内の部品の放熱性能
  • 撹拌槽における混合率
  • ドアミラーの風切り音などの流体騒音

このように幅広い分野・場面において乱流が深く関わっているため、製品性能の追求のためには乱流現象を正確にシミュレートすることが重要です。そして、そのために必要な物理モデルが「乱流モデル」というわけです。
一方、乱流は非常に複雑な物理現象であり、いまなお物理学や工学の分野で研究が続けられています。そのため、残念ながら万能な乱流モデルというものはなく、状況に応じて複数のモデルを使い分けていく必要があります。しかし、特に流体解析をはじめたばかりの方には、適切な乱流モデルを選択して使いこなすことが難しく感じられるかもしれません。
そこで、今回の記事では乱流モデルの基礎的な内容についてご紹介します。基本的な概念や用語の意味の大まかなイメージだけでもつかむことができれば、今後の解析が少しでもやりやすくなるのではないかと思います。本記事が皆様の乱流解析のはじめの一歩として役立つことができれば幸いです。

乱流現象の基礎

流れの状態は秩序立って整然としている「層流」と、空間的にも時間的にも不規則で常に変化している「乱流」の2つに大別されます。流れが層流になるか乱流になるかは次の3 つの要素が関係しています。

  1. 速度
  2. 粘性
  3. 代表長さ

すなわち、速度が遅く、粘性が大きく(ネバネバ)、流れる空間が狭いほど層流になりやすく、反対に、速度が速く、粘性が小さく(サラサラ)、流れる空間が広いほど乱流になりやすいといえます。
そして、これらをまとめて1つの数値で表したものがレイノルズ数と呼ばれる無次元数です。

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