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Ansys EKM、そしてCAEは文化となった?
企業のエンジニアリング文化を育てるために

CAEのあるものづくり Vol.28|公開日:2018年5月
目次
- Ansys Workbenchのプロジェクト管理
- Ansys EKMでの解析データ管理
- Ansys EKMの拡張性
- Ansys EKMからのジョブ実行
- データの信頼性確保
- マイデータと共有データ
- エンジニアリングデータの中心として
- エンジニアリングナレッジは企業の文化
普段、CAEはどのような目的で使われていますでしょうか?試作費用、実験費用などのコストを削減したい、あるいは試作検証、手戻りによる再検討などの回数を減らして開発期間を短縮したい、または実験では確認できない部位を検証し品質向上につなげるなど、いわゆるQCD(Quality,Cost, Delivery)の向上を目的にお使いいただいているケースが多いのではないでしょうか。
有限要素法が開発されて50年余り、QCDの向上にはCAEが不可欠であることはもはや周知の事実となってきており、また、コンピュータ、プログラミング技術の進化に伴うCAEの適用範囲の拡大、利便性の向上により、非常に多くの場面でその効力を享受できるようになって来ました。一方、活発な利用により、作成されるデータ数、データ量が膨大になり、CAE業務の効率を低下させている状況も発生し始めています。
Ansys Workbenchのプロジェクト管理
Ansys Workbenchは利便性を向上させながらマルチフィジックス連成解析が可能な環境を提供しています。Workbenchの中では一つの解析が一つの「解析システム」として管理され、それぞれをつなぐことで簡単に連成解析が実現できます。また、この「解析システム」はパラメータを変更しながら何度も繰り返すことができるため、パラメータスタディ、最適化なども実施することができる優れた機能を有しています。
ユーザーは、この「解析システム」のつながりを確認することで、現在オープンしている解析プロジェクトでどのような解析が実施されたかを簡単に把握することができます。これは、「プロジェクト概念図」と呼ばれ、AnsysWorkbenchが持つ大きなメリットの一つとなっています。(図1)

図1各解析間の関連は良くわかりますが、モデル、条件などはMechanicalでオープンしないと確認できません。
このプロジェクト概念図により、解析のプロセスとデータが管理されており、過去のプロジェクトファイルをオープンすれば、解析の内容とデータに簡単にアクセスすることができます。
一方、この利便性を実現するために、背後では複雑なファイル管理がなされています。もちろん、利用者はその内容を細かく知る必要はありませんが、他者にデータを渡す場合には、プロジェクトファイルと対応するフォルダ群を渡す必要があります。渡された人はプロジェクトファイルをAnsysWorkbenchでオープンして初めてその内容がわかります。もちろん、他のソフトウェアでもファイルの内容はオープンしてみないと内容がわからないのは同じですが、解析プロジェクト管理が便利ゆえに多くの解析システムを含み、そのサイズが大きくなりがちなWorkbenchのファイルをオープンするのは非常に時間を要します。せっかくの見やすいプロジェクト概念図をファイルオープンなしに確認したいというのは自然な要望ではないでしょうか。
Ansys EKMでの解析データ管理
AnsysEKMはWebベースのシミュレーションプロセスとデータ管理ツールです。Ansys社が開発しているだけあって、データ構造が複雑なWorkbenchのプロジェクトデータをいかに効率良く保管、共有できるかが考えられています。一般的なデータ管理ツールは、「ファイル+属性」で管理することがほとんどで、属性やキーワードで検索しても結局ファイルをオープンして内容を確認する必要があります。Ansys EKMでは、シミュレーションデータをその内容を表示しながら保管するため、ファイルをオープンすることなくその内容を把握することができます。さらに、 AnsysEKMはWebシステムですので遠隔地からでもサーバーにアクセス可能で、ファイルをダウンロードすることなくその場で内容が把握できるため、無駄なダウンロード時間、ファイルオープン時間を削減することができ、効率的に解析業務を進めることができます。(図2、3)

図2 Webブラウザでプロジェクト概念図を確認できます。

図3 Webブラウザでモデル、結果も確認できます。
当然シミュレーションデータの内容をWebブラウザで表示するためには、表示用のデータに変換しなくてはなりませんが、この変換こそがAnsys EKMが真価を発揮する部分になります…
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