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アルティメイトテクノロジィズ株式会社 様
高度なPCB設計サービスに、ANSYSの電磁界解析ツールを活用

CAEのあるものづくり Vol.24|公開日:2016年4月
目次
- Ansys製品をはじめとしたシミュレータを駆使し、高度な基板設計サービスを提供
- シミュレーションはお客様との「共通言語」。明確な共通言語のおかげで、お互いの専門分野を活かしたスムーズな連携が可能に
- Ansys製品をはじめとしたシミュレータを駆使し、高度な基板設計サービスを提供
- 利用のきっかけはお客様の紹介。
今はAnsys製品がメインの解析ツールに。
サイバネットのサポートは高い頻度で活用中。 - 2015年からは新卒採用をスタート。
顧客のニーズを適切にくみ取ることができる、優秀なエンジニアを育成中 - 今後の注目は電動化・自動化の進む自動車業界。PCB設計という観点から、可能な限りの問題解決を
今回のインタビューでは、アルティメイトテクノロジィズ株式会社様にご協力いただきました。Right The First Time Design「最初から正しい設計をする」 -デジタル家電の急速な進化を背景に、飛躍的に高度化したプリント基板。業界の厳しい要求に応えるため、Ansys HFSS 、AnsysSIwaveなどの解析ツールを活用した高度な設計サービスを提供しつづけてこられました。近年では自動車向けの基板設計にも取り組まれ、活躍の幅をさらに広げていらっしゃいます。
またマレーシアに現地法人Ultimate Technologies Asia Sdn.Bhdを設立され、マレーシア政府の支援のもと、大学・大学院で電気電子工学を専攻した現地スタッフとともに、東アジア地区へ事業展開する企業向けの技術支援も実施されています。
ここでは、代表取締役 内海 哲 様にお話をお伺いしました。
(以下、お客様の敬称は省略させていただきます。)
Ansys製品をはじめとしたシミュレータを駆使し、高度な基板設計サービスを提供
御社の事業内容についてお聞かせください
内海 -当社は今まで、薄型テレビ、タブレット端末等に代表される情報家電製品など、年間数百万台という規模で生産される製品のPCBを設計してきました。シミュレーションは比較的早くから導入しており、設計初期段階からSPICE系シミュレータとAnsysSIwaveやAnsysHFSSを連携させたフルウェーブ解析を行っています。これにより問題を事前に予測し、高速信号の伝送に最適なスタックアップや配線経路を決定しています。今まで、LSIの開発用ボードから最終製品への組み込みまで、一連のPCB設計を請け負わせていただいていたため、PCB以外の要素、例えばパッケージ、チップとの関係まで俯瞰しながら設計ができる点は、当社の強みの一つだと考えています。また生産性・品質・機能を兼ね揃えた製品設計のために、プリント基板CAD運用での設計ルールセットを自動化したり、製造ルールのチェックツールを開発するなど、PCB設計のトータルマネジメントシステムもご提供しています。
なお2001年には、マレーシアに現地法人を設立し、マレーシア政府が推奨するMultimedia Super Corrido(rMSC)構想のステータスカンパニーとしても活動しています。ここでは設計や解析業務のほか、語学力(英語・中国語)を活かしてレポート作成や技術調査なども行っています。
お客様は、やはりエレクトロニクス業界が多いのですか?
内海 - 従来は取引先のほとんどが電機メーカー様、ICベンダー様だったのですが、最近では自動車業界のお客様からも依頼をいただくようになりました。
ご存じのように、自動車業界は検査基準が厳しく、些細な回路のエラーも許さず人命を守ります。そのため家電製品よりはるかに長い開発期間をかけて、実験による評価を繰り返しながら製品の完成度を高めていきます。そのため実験結果とシミュレーション結果の比較もじっくり行っています。当社も、過去にお客様が設計した基板を、一度シミュレーションで評価させていただき、実際にお客様が行った実機試験の結果との差を何度も何度も詰めていきます。最初は苦労しましたが、時間をかけて繰り返すうちによい相関が取れるようになってきました。
とはいえ、やはり電気のふるまいはどちらの世界も同じですから、今まで培ったノウハウが活かせる部分は沢山あります。
例えば、最近の車載基板ではノイズ対策が大きな課題になっています。ADASと呼ばれる自動運転システムなど、先端システムには高周波を扱うものが多く、ノイズを引き起こしやすいのです。一方、当社が携わってきた家電の世界では、今まで、何GHzもの信号を損失なく伝送するための工夫を重ねてきました。ノイズは、もともとは損失が原因なので、損失なく伝送できる配線構造を作れば減らすことができます。そう考えると、我々のノウハウは車載基板の設計のいたるところで活用できます。
最近では、お客様の電気技術者にノイズ対策を体感いただけるような勉強会を実施しています。単純な回路を使って、簡単なアートワークを作成してもらい、その中で最もよくできたものと、一番よくないものを選び、シミュレーションしていただくのですが、単純な回路なので結果の違いははっきりと出てきます。仕上げに、実際にプリント基板を作ってお客様に実機評価をしていただくと、理解はさらに深まるようです。
シミュレーションはお客様との「共通言語」。明確な共通言語のおかげで、お互いの専門分野を活かしたスムーズな連携が可能に
過去15年間で、プリント基板設計はどのように変わりましたか?
内海 - 当社を設立してから15年以上が経ちますが、PCBはかなり多様化しましたね。チップの内容は同じでも、用途によってパッケージやサイズがかなり異なるようになりました。
例えばデジタルテレビのようなコンシューマー製品の場合は、大規模なICでも、層数の少ないPCBで実装することが求められます。モバイル製品はいかに集積度を上げて、プリント基板上の部品を少なくするかが求められます。車載機器の場合は、先ほどお話ししたように安全性と、ノイズをいかに抑えるかが重要です。
その一方で、開発期間は圧倒的に短くなりました。昔は開発に半年かけていたようなものも、今では2~3ヶ月で完成させなければなりません。
こうなるとシミュレーションは必須になってきます。特にICベンダー様にとっては無くてはならないツールでしょう。我々から、設計のアートワーク...
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