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Ansys BladeModeler/TurboGrid/CFD
ターボ機械ソリューション
CAEのあるものづくり Vol.23|公開日:2015年10月
目次
- はじめに
- Ansys BladeModeler
- Ansys TurboGrid
- Ansys CFD
- 解析事例紹介
- 終わりに
はじめに
近年、エネルギー需要の増加や環境問題への意識の高まりにより、ターボ機械の設計においても高効率化が求められています。一方で設計・開発においては、より効率的で、短時間かつ低コストであることも同時に要求されます。
サイバネットシステムでは、ターボ機械の設計に関するトータルソリューションを提供しています(図1)。統一された操作環境であるAnsysWorkbenchは、形状作成から流体解析、構造解析そして最適化まで、あらゆる解析機能をサポートしています。個々の解析機能はAnsysWorkbench上でリンクすることができ、ブレードの形状をパラメータとして定義したパラメータスタディや最適化、流体解析と構造解析を組み合わせた流体-構造連成解析も容易に実施することが可能です。また、ターボ機械の設計のために考えられた各種解析ツールによって、効率的で精度のよい解析を実現し、短時間かつ低コストの設計を実現します。
図1 ターボ機械トータルソリューション
本稿ではターボ機械の設計に関するトータルソリューションの中から、流体解析関連ツールであるAnsys BladeModeler、Ansys TurboGridおよびAnsys CFDについてご紹介いたします。
Ansys BladeModeler
Ansys BladeModelerはターボ機械部品の3D設計を迅速に行うために考えられたツールです。Ansys BladeModelerでは、ターボ機械に関するANSYS,Inc.の広範なノウハウがユーザーフレンドリーなGUI環境に組み込まれており、ポンプ、圧縮機、ファン、ブロワ、タービン、エキスパンダ、ターボチャージャ、インデューサなどといった軸流、斜流、ラジアル流の翼部品を設計できます。
図2 Ansys BladeModelerで作成したターボ機械形状
Ansys BladeModelerは、次の3つのツール群から構成されています。
Ⅰ. Vistaツール:初期サイジングツール
Ⅱ. BladeGen:ブレードの詳細設計ツール
Ⅲ. BladeEditor:3D CADソリッドモデリングツール
上記の3つのツール群は設計の用途によって使い分けることができ、それぞれのツール間の連携も可能となっています。
Ⅰ. Vistaツール:初期サイジングツール
新しい形状作成が必要な場合、Ansys BladeModelerには、ターボ機械の設計条件を入力することで詳細設計に使用可能な形状を出力できるVistaツールが含まれています。
Vista CCD(遠心圧縮機用)、Vista CPD(遠心ポンプとボリュート用)、Vista RTD(ラジアルタービン用)、およびVistaAFD(軸流ファン用)に質量流量、圧力比、ヘッド、速度、および、形状的制約などの設計条件を与えると、AnsysBladeModelerで使用可能な形状データが出力されます。これらのVistaツールはターボ機械設計のコンサルティングで実績のあるPCA Engineers社によって開発され、Ansys Workbenchに統合されています。
Ⅱ. BladeGen:ブレードの詳細設計ツール
BladeGenは、翼設計者が想定する業界特有のツール、ワークフロー、用語を使用して、ターボ機械のブレードを一から詳細に設計するためのツールです。また、BladeGenはVistaツールによって作成された初期形状データを取り込み、その形状を修正、追加することも可能です。
BladeGenには設計者に合わせた複数の設計モードが用意されています。例えば、遠心ポンプの設計者はBladeGenを角度/厚さモードで使用し、子午プロファイル、翼巻き角(翼角)、厚さ分布、前縁・後縁形状を定義することで翼の設計を最適化します。また、軸流タービンの設計者は、BladeGenを正圧/負圧モードで使用し、翼の正圧面と負圧面で個別にカーブを記述することで、改善された翼列を作成できます。
図3 BladeGenを用いたブレード形状設計画面
Ⅲ. BladeEditor:3D CADソリッドモデリングツール
BladeEditorは、汎用の3D CADソリッドモデリングツールであるAnsys DesignModelerにブレード設計の機能が追加された、ターボ機械用の3D CADソリッドモデリングツールです。BladeGenと同様に...