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このAPDLマクロ、Workbenchで使えませんか?
ACTを用いたAPDLマクロのカプセル化

CAEのあるものづくり Vol.21|公開日:2014年10月
目次
- はじめに
- APDLマクロとは
- AWMでAPDLマクロを使う方法:コマンドオブジェクトとAPDLマクロのカプセル化
- 適用例
- APDLマクロのカプセル化の実装方法とその利点
- まとめ
はじめに
Ansys R14.5から登場したACT(Application Customization Toolkit)は、主にAnsys WorkbenchのMechanical環境(以下AWM)をカスタマイズするための機能です。本機能によって、大きく以下5つのカスタマイズをAWMに施すことができます。
- APDLマクロをカプセル化しAWMで再利用する
- MAPDL(旧称Classic)の機能をAWMに取り込む
- AWMに独自のプリプロセス機能(境界条件)を実装
- AWMに独自のポストプロセス機能(結果処理)を実装
- AWM上でAnsys以外のソルバーを実行させる
この他にも様々なカスタマイズが可能ですが、本稿では比較的実装が容易で、効果も大きい「1」に焦点を当ててご紹介します。
APDLマクロとは
APDLとはAnsys Parametric Design Languageの略で、MAPDLを制御するためのスクリプト言語です。広い意味では解析モデルの作成、計算実行、結果処理といった、解析操作そのものを指令するコマンド類も含まれるため、MAPDLのほぼ全ての機能と動作を記述可能といえます。これを用いてバッチ処理用のインプットファイルを作ったり、定型処理の自動化マクロを組まれた経験のあるお客様も多いことと思います。
さて、この便利なAPDLマクロをAWM上でも利用したいと思われたことはないでしょうか。たとえば、過去のMAPDLの解析で使っていた定型処理マクロや、ベテラン利用者が開発した高度な解析設定マクロや、AWMでは利用できないMAPDL限定機能(圧電解析や音響解析など)の内容が含まれたマクロ、等々です。これらをAWM上で再利用することができれば、AWMの利便性はさらに向上します。
AWMでAPDLマクロを使う方法:コマンドオブジェクトとAPDLマクロのカプセル化
このようなニーズに対し、従来よりAWMには「コマンドオブジェクト」という機能が備わっています(図1)。ツリーアウトラインに当オブジェクトを挿入することで、AWM上でAPDLを直接記述することが可能になります。

しかし、この機能には以下に挙げるようなやや使いにくい点があります。
- APDL内に記述された数値がAWMの単位変換に追随しない
- 条件定義には名前選択に基づくコンポーネント情報を用いるが、コンポーネントタイプがジオメトリの種類に応じて異なる点に注意が必要(例:ボディは要素コンポーネント、面・辺・頂点は節点コンポーネント)
- ツリーアウトラインへのオブジェクト挿入位置により関与できる機能の範囲が左右される
- 複数荷重ステップの場合にはオブジェクト自体のメニュー設定にも注意が必要
- etc...
つまり利用者は、AWMとAPDLマクロの両方の特性をよく理解している必要があり、Ansysの上級者でないと…
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