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住友ベークライト株式会社 様
革新的な材料開発に、ANSYSとMultiscale.Simの解析技術が貢献
「”今、できないもの”を提示することにこそ、シミュレーションの意義があると思います」
CAEのあるものづくり Vol.19|公開日:2013年11月
目次
- お客様からのニーズと、自社の基礎研究で開発した技術を結びつけて、新しい価値を創造
- 当時は「絶対に無理」と言われても、数年後に実現することも。「今できないこと」を提示してこそ、シミュレーションには意義ある
- ガラスクロスの影響までモデル化できる点を高く評価し、Multiscale.Simを導入。
- 大切なのは、解析する前に「何が見たいか」「何のために見るのか」を明確にし、自分なりに予想を立ててみること。
- CAEに期待するのは、実験では見えないものを可視化すること。ミクロレベル、分子レベルまで解明できれば、高価な実験装置をしのぐ価値が生まれる
半導体、電子部品、自動車、建材、包装、医療などの分野で利用される、各種プラスチック製品の総合メーカー、住友ベークライト様。
プラスチック製品は、現代社会に欠かせない存在として定着しています。その歴史は旧く、1911年に、住友ベークライト様の出発点である三共合資会社(現 第一三共株式会社)がフェノール樹脂(ベークライト)の試作を開始したのが草分けです。
それ以後、住友ベークライト様はプラスチックのパイオニアとして、「単なるものづくりではなく“機能”を創ること」をモットーに、付加価値の高い製品を次々と市場に提供されてきました。
今回は、情報通信部門の研究開発を担う、情報・通信材料総合研究センターにお話を伺いしました。
今回お話いただいた方々
情報・通信材料総合研究センター
主席研究員 畑尾 卓也 様
研究員 中井戸 宙 様
(以下、お客様の名前の敬称は省略させていただきます。)
お客様からのニーズと、自社の基礎研究で開発した技術を結びつけて、新しい価値を創造
ご担当業務についてお聞かせください。
畑尾 - 当社は半導体、電子部品、自動車、建材、包装、医療などの分野で利用される各種プラスチック製品の総合メーカーです。
当社の事業は、3つに大きく分類することができます。1つは情報通信部材といい、「半導体封止用エポキシ樹脂成形材料」をはじめとした、半導体部品関連に使われるプラスチック材の開発を行っています。
2つ目は高機能プラスチックと呼ばれる分野で、自動車の摩擦材などに使用されるフェノール樹脂をはじめ、耐熱性、寸法安定性、機械特性、耐磨耗性などに優れた多種多様なプラスチックを開発しています。最後はクオリティ・オブ・ライフという分野で、食品包装用フィルムや医薬品パッケージ、医療機器向けのプラスチックです。
一方研究開発部門は、こうした事業を支えるため、「プラスチック材料にさまざまな反応・加工を施して、多種多様な機能を創造・付加し、新たな価値を生み出すこと」を最大のテーマにしています。
体制は、大きく分けてお客様の価値を創造する種を育成する基礎研究部門、商品を具現化する応用研究部門、そして我々が所属するお客様の価値を創造する情報・通信材料総合研究センターに分けられます。基礎研究部門では、大学や公的機関とも協業しながら有望技術を蓄積し、応用研究部門では、製品分野ごとの研究所を設置して専門性を高め、めまぐるしい技術の高度化に対応しています。
そのなかで、情報・通信材料総合研究センターは…