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製薬分野向け流体解析事例のご紹介

CAEのあるものづくり Vol.17|公開日:2012年10月
目次
- はじめに
- 各種解析事例のご紹介
- まとめ
1. はじめに
今回は製薬分野における流体解析技術の活用事例をご紹介させて頂きます。
流体解析技術は電気・電子機器分野や自動車産業分野など様々な分野で活用されており、目には見えない流れの可視化や各種統計値(速度、温度、濃度等の平均値やばらつき)による評価が可能になります。
製薬分野のように、実験による現象把握が難しいケースや、実験のコストが高い場合(一回のコストは低くても多くのサンプル数が必要なケース)でも、流体解析技術を活用することで、実験コストの低減、新しい製品仕様の発案、トラブルシューティング、パイロットプラントから実機へのスケールアップなど、様々な製品開発フェーズの効率化を図ることができます。
今回の特集では、特に以下の内容の事例について詳しく説明したいと思います。
- 撹拌槽の解析事例
- 多粒子流れの解析事例
- 溶出試験器の解析事例
2. 各種解析事例のご紹介
撹拌槽の解析事例
流体解析技術を用いることで撹拌槽の撹拌効率を効果的に改善することができます。

パドル周りの流れの可視化例
撹拌効率はパドル、邪魔板(バッフル)、容器の形状/サイズや、運転条件(パドルの回転速度)によって変化しますが、流体解析ではこれらの要因を『入力パラメータ』とし、濃度分布や温度分布のばらつきを『出力パラメータ』とした、パラメトリックシミュレーションが可能です。実験ではちょっとした仕様変更を行うだけでも、装置の変更、実験の実施、実験結果の検証と、時間とコストを要してしまいますが、流体解析技術を用いると、そういった仕様変更が単純に数値(寸法入力/条件入力等)を入力し直すだけの操作で済むため、より効率的に最適な撹拌槽の仕様を検証することができます。
なお撹拌槽の流体解析を実施する際は、定常解析、非定常解析共に可能ですが、安定状態での撹拌効率を求めたい場合は、解析コストの低い定常解析を行います(定常解析であってもパドルの回転を加味した解析が可能です。非定常解析は時々刻々と変化する状況を見たい場合に実 施します)。
以下の事例は、パドル周りの撹拌状況を解析したものです(非定常解析)。パドル周りの特定成分濃度は時々刻々と変化し、またその変化は場所による影響も受けます。
可視化は『ボリュームレンダリング』と呼ばれる技術を用いています。こちらの例では、気泡の体積分率(今回の事例では液中に気泡をバブリング)を可視化しており、よりイメージしやすい形で解析結果を確認することができます。

また以下のグラフはパドル周りの各測定ポイントでの気泡体積分率の変化を示したものです。このように…
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