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Ansys Mechanical APDL(旧Classic)ユーザ様のためのWorkbench活用術

CAEのあるものづくり Vol.13|公開日:2010年10月
目次
- Ansys Mechanical APDLとWorkbenchの併用
- Ansys Workbench12.1で行う接触解析
Ansys Mechanical APDLとWorkbenchの併用
はじめに
Ansysを長年ご利用されているユーザ様の中には、 Ansys Workbench環境 よりも Mechanical APDL環境 ( 旧Classic 。以下、MAPDL環境)を活用されている方が多数おられます。これは、MAPDL環境の方が歴史が長く機能が充実しているため、幅広いニーズを網羅できているからです。また、APDL(Ansys ParametricDesign Language)によって作成されたマクロファイル( 通称APDLファイル)を独自に作成し、解析業務をルーチン化されて社内展開している方もいらっしゃるかと思います。
しかし現在のWorkbench環境は、MAPDL環境に匹敵する程、機能が豊富に揃ってきました。特に「直感的な操作性」「CADとの親和性」「アセンブリモデルの取扱い(自動接触機能)」「メッシングのロバスト性」「パラメトリック解析や最適化解析」といった業務の効率化に直結する機能では、Workbench環境の方が優位性が高いと言えます。
このため、今後どちらの操作環境を社内で展開すべきか、迷われている方も多いのではないでしょうか?無理矢理にでもWorkbench環境へ移行する必要があるのでしょうか?
そこで本稿では、Workbench環境のメリットを紹介するとともに、Workbench環境とMAPDL環境の双方の利点を活かしながら、より効率的な解析を行なうための方法をご紹介します。
また、本稿の別章にて、Workbench環境の活用例として接触解析のテクニックをご紹介しています。接触機能はWorkbench環境の得意とする分野の一つですが、細かなテクニックを身に付けることで効率が大幅に向上します。MAPDLとの連携方法と併せて参考にして頂ければ幸いです。
Ansys Workbench環境の開発経緯
Workbench環境の基礎は、90年代後半に登場したAnsys DesignSpaceの開発によって築かれました。DesignSpaceは、当時はまだ一般的ではなかった「設計者向けCAE」のさきがけとして登場し、その圧倒的な使い易さとCADとの親和性から急速に設計現場へと広がりました。同時に他のベンダーからも設計者向けCAEが次々と発売されるようになり、現在では多くのCAEが設計現場で利用されています。
しかしCAEが設計現場に普及し、その用途が多様化するにつれて、以下のような問題が起きてきました。
- 非線形解析などのニーズが増えているが、設計者には操作方法を習得する余裕がない。
- 似たようなモデルを何度も何度も解析しており、効率が悪い。
- メッシングエラーがボトルネックになり、解析までたどり着けない。
- 解析専任者と設計者で利用しているツールが違うため、解析専任者は設計者をサポートするのに多くの工数を強いられている。
以上のような問題は、CAEの投資効果を上げるためにも重要な課題として考えられています。そこでAnsys社はDesignSpaceの操作環境を進化させて、これらの問題を解消するための統合環境を開発しました。これが今日のWorkbench環境です。Workbench環境は、設計者や解析専任者に偏ってスポットを当てたものではなく、総合的なCAE業務改善のための「CAEプラットフォーム」として位置づけられています。
Ansys Workbenchのメリット
本章では、先述のような設計現場で起きやすい問題を解消する、Workbench環境の利点についてご紹介します。
3-1 直感的で明快な操作環境
設計現場では効率化を目的としてCAEを活用するため、CAEの使いこなし自体が目的ではありません。経験の浅い設計者はもちろん、ベテランの解析専任者の方も、解析作業にかかる工数は最小限に抑えて、空いた時間で少しでも多くの解析をこなしたいとお考えのことと思います。
Workbench環境では、バージョンアップ毎に機能強化が進む一方…
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