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Ansysをもっと活用するためのテクニック集(2)
CAEのあるものづくり Vol.11|公開日:2009年9月
目次
- ボルト締結モデリングマクロのご紹介
- UIDLを用いたAnsys GUIのカスタマイズ
- 剥離解析について
CAEのあるものづくり10号全記事
はじめに
ボルトは部品と部品を結合する手法の一つとして製品設計で頻繁に利用される機械要素です。一般的には標準部品として規格化されたものを使用する場合が多く、設計の際には簡略化される場合もあります。
このボルトにより結合された構造物の解析を行う際には、実際のボルト形状が存在していれば一つの部品としてメッシュを作成して解析を行えばよいのですが、形状がない場合には何らかの手法でボルトによる結合状態をモデル化する必要があります。この記事では、ボルト形状が存在していない場合に仮想的にボルト締結状態をモデル化するための「仮想ボルト締結マクロ」をご紹介します。
モデリング手法
仮想ボルト締結マクロで作成可能なボルトは以下の3タイプです
- 剛体ボルト
- ボルトの剛性を考慮したボルト
- ボルトの剛性と締め付け力を考慮したボルト
このマクロでは、事前にボルトが隣接部品と接する「ねじ穴」と「座面」部分の2つの節点コンポーネントを定義しておき、それらの間に以下のようなモデリングを行います
剛体ボルト
2つの節点コンポーネント全体の中心位置に節点を作成し、その節点とコンポーネントに含まれる全ての節点を結ぶようにMPC184要素の剛体ビームを作成します。
ボルトの剛性を考慮したボルト
それぞれの節点コンポーネントで、その中心位置に節点を作成し、その節点とコンポーネントに含まれる全節点を結ぶようにMPC184要素の剛体ビームを作成します。さらに、それぞれのコンポーネントの中心に作成された2つの節点の間にBEAM188要素の弾性体ビームを作成します。
ボルトの剛性と締め付け力を考慮したボルト
「ボルトの剛性を考慮したボルト」と同じ手法でモデリングを行い、そのBEAM188要素を2要素として、その間にPRETS179要素(プリテンション要素)によるボルト荷重を定義します。
マクロの使用方法
このマクロは、Ansysのマクロ言語である「Ansys Parametric Design Language」(APDL)で作成されています。コマンドとしては…