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熱流体解析

BRISTOL-MYERS SQUIBB社がRocky DEMのマルチGPU機能を利用して1000万個の以上の粒子をシミュレーション

公開日:2021年11月

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製薬業界は、複雑な物理的プロセスを伴う製造工程であることが知られています。これらのプロセスは十分に理解されているとは言えず、プロセス開発時のスケールアップは、大規模な実験計画法(DOE)を用いて行われることが検討されていますが、多くの課題とコストが伴います。プロセスの理解を深め、スケールアップ時の大規模な実験コストを軽減するために、離散要素モデリング(DEM)ソフトウェアを用いて材料の挙動を調査することを選択する企業もあります。Bristol-Myers Squibb(BMS)社の主席研究員Preetanshu Pandey氏は、「当社の研究開発プロセスの中には、DOEを1つのスケールから別のスケールに変更するものがあります。優れたモデリング機能により、DOEを実施する規模を抑えることができ、コスト削減につなげることができます。このモデリング機能は、実験計画をより効果的なものにするのに役立ち、実験を減らすことができる可能性があります。」これまでのモデル化の経験について、Pandey氏は次のように語ります。「ソフトウェアの制限により、主に球形の粒子表現を用いた小規模なシミュレーションに制限されていました。Rocky DEMを使用することで、シミュレーションの速度が向上しただけでなく、一度にシミュレーションできる粒子の数も実験条件に近づけることができました。」

Rockyの強力なマルチGPUソルバーが可能にしたこの処理速度の向上、Rocky独自の非球形粒子表現、統合されたポストプロセス機能が、BMS社を最も惹きつけた特徴です。「Rockyでは、特定のケース(例:錠剤のコーティング)において、実験と同等の正確な粒子数と粒子形状を使用することができます。モデリングと実験の1対1の相関関係を作ることが、Rocky DEMを使うことの最も大きなメリットだと思います。」とPandey氏は説明します。

高せん断湿式造粒の研究

BMSがRockyで行った研究の一つは、経口投与用錠剤の製造に使用される高せん断湿式造粒プロセスでした。課題は、そのプロセスにおける粒子レベルでの挙動を理解することで、最も効果的なスケールアップのルールを導き出すことでした。様々なスケール(1-L、10-L、150-L)の乾式および湿式プラシーボを使用した造粒機をRockyで解析し、その結果を高速画像解析による実験データと比較しました。BMS社によれば、これまで使用してきた他のDEMコードと比較したRockyの際立った利点は、より現実的な粒子径と分布を解析できることとのことです。Rockyの高性能なマルチGPUソルバーとの組み合わせにより、1回のシミュレーションで大量の粒子を計算することができました。これは、従来のコードでは必要なメモリ量が制限されていたため、不可能でした。Rockyソルバーでは、利用可能なGPUの総力を結集してマザーボード内のメモリを分配することで、非常に大きな粒子数をより合理的な時間で計算することができます(図2)。RockyのマルチGPU処理を使用することで、24コアのCPUのみの場合に比べて20倍の速度でシミュレーションを行うことができました。

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