解析事例
2.5D/3D-IC 化に向けた実装技術への電磁界解析の適用
2.5D/3D-IC 化に向けた実装技術への電磁界解析の適用の概要
こんな方におすすめ
- 半導体パッケージの開発に従事している方
- 半導体パッケージの材料開発に従事している方
- 半導体パッケージの特性評価に従事している方
解析概要
2.5D / 3D IC パッケージ設計において、TSV(Through-silicon via)、Interposerの伝送特性評価は非常に重要です。
しかし、複雑さを増すInterposer は非常に微細で多くの要素を含むため、3Dでモデル化して解析することは困難とされていました。
Ansysは、GDSIIフォーマットのデータをインポートして3Dのモデル化を実現しています。
今回の事例では、詳細な3Dモデルに対して電磁界解析を適用した高精度な性能評価の例をご紹介します。
- TSV(Through-silicon via)の高速伝送特性評価
- 3D Interposer の高速伝送特性評価
使用ソフトウェア
Ansys HFSS 3D Layout
背景/課題
半導体製品の高速化、高機能化、低消費電力化には、シリコンウエハー上のパターンの微細化技術が必要となりますが、プロセスの複雑化と高コスト化により、微細化は限界と言われています。
この課題に対し、CPU や Memory など、異なるプロセスノードや機能の複数の IC chip を同じ基板上に高密度で実装し、処理速度を向上させるパッケージング技術が注目されています。
この技術で重要なのが、複数の IC Chip と基板を電気的に接続する際に中継部となる Interposer、さらに、IC ChipのDieを積層に積み上げ、Die間を貫通することで接続するTSV(Through-silicon via)と呼ばれる電気接続ビアです。
しかし、この設計は容易なものではなく、非常に多数のIC Chipの実装要求から、TSVの微細化、Interposer の構造の複雑さが増す中、ICの高機能化に伴う高いデータレートと高周波信号の伝送が要求され、これら要素を短期間かつ効率的に設計し、目標のパフォーマンスを実現することが要求されます。
解析の仕様
1.TSV(Through-silicon via)の高速伝送特性評価
解析対象および解析手法
解析条件
解析結果
このように、TSVの高周波伝送損失の大きさを設計段階で評価することが可能になります。
例えば、TSVの径や長さ、絶縁膜層の厚さ、またGND-TSVとの間隔など、要求仕様に合わせるための検討にご活用いただけます。
2.3D Interposer の高速伝送特性評価
解析対象および解析手法
ご紹介する解析では、Ansys HFSS 3D Layoutにより、3D Interposerをモデル化、Interposer の両端にはIC(U1、U2) のDieが配置されることを想定してバンプとの接続部としてビアを配置、この接続部のビア間で高周波伝送特性を評価します。
解析条件
解析結果
このように、複雑な3D 構造の Interposer に対して、高周波の伝送特性を設計段階で評価することが可能になります。
シミュレーション上で材料物性値による特性の差異や要求仕様を満たすための信号配線幅や電源、GNDの配線検討などをご検討いただくことが可能です。
本解析の効果
こちらでご紹介したように、TSVに対しては、周辺に配置されたGND TSV、Interposerについては並走する信号ネットや電源、GNDネットの影響を考慮した高精度な特性評価を設計段階で実施することが可能になります。
その結果、要求仕様を満たすための最適な設計検討に貢献できると考えております。