解析事例
Ansys EMC PlusによるPCケースの放射エミッション解析事例
PCB近傍界結果の連成による金属筐体シールド効果検証
Ansys EMC PlusによるPCケースの放射エミッション解析事例の概要

こんな方におすすめ
- 製品試作前に金属筐体によるシールド効果を確認したい方
- 金属筐体から漏れ出す電磁界の挙動を確認したい方
- 解析を活用することにより試作評価を効率化したい方
解析概要
今回の事例では、PCB単体の近傍界解析結果をインポートしPCケース内に配置することで、ケースから漏れ出す電磁界を確認し、シールド効果を評価しています。
使用ソフトウェア
Ansys EMC Plus
背景/課題
電子機器の高度化に伴い、電磁両立性(EMC)の重要度が年々高まってきています。
特に問題となりやすいのが放射エミッション(EMI)の問題です。
EMIの対策方法として、金属筐体のシールド効果を用いてノイズ源のエネルギーを外部へ伝搬させないように抑制する手法は一般的ですが、筐体の形状による共振やスリットの影響を考慮せずに実機でカットアンドトライを行うことは、膨大な工数と対策コストを発生させ、納期遅延やコストアップによる製品価値の低下を引き起こします。
シミュレーションを活用することにより、設計段階でシールド効果を事前に可視化することが可能ですが、複雑な設計データを持つPCBと筐体を合わせて解析を行うことは、解析規模が膨大になり時間的にも困難な場合も多くあります。
Ansys EMC Plusでは、PCBを直接モデル化することも可能ですが、PCB単体解析の近傍界結果をインポートすることで、現実的な時間でシールド効果を確認することが可能です。
解析の仕様
解析モデル

図. PCケース内に放射源としてPCB近傍界データを配置

図. ケースの内側、外側にそれぞれ電界測定ポイントを設定
解析結果

外側と内側では電界強度に約20dBの差があり、PCケースにシールド効果があることが分かる

ケースの境界でシールド効果による電界の減衰が発生していることが確認できる
本解析の効果
今回、PCBの近傍界をノイズ源としてPCケース内に配置し、ケース内外での電界強度の比較を行いました。
この様に、PCB単体の解析結果をインポートすることで解析規模の増大を防ぎつつ、ケースのシールド効果を確認することが可能です。
設計段階でこのような解析を行うことで、筐体設計をEMCに対して最適化し、製品の規格合格に貢献することができます。
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