解析事例
ラティス構造の均質化
はじめに
積層造形(3Dプリンタ)を用いた製造技術が発展し、これまでは作成することのできなかった最適かつ複雑な形状が製造できるようになりました。その中でラティス形状は積層造形物の補助材や軽量化を目的として使用されています。また、それ以外にも形状により材料挙動を制御可能であるという特徴も有しており、生体適合性の観点から材料の代替の利かない医療分野などをはじめ、多くの分野に使用されています。ラティス形状には様々な種類があり、種類によって変形挙動が異なります。均質化解析ツールMultiscale.Simでは、ラティス形状のモデリング機能を有し、これらラティス形状の等価物性値の取得が可能です。そこで様々な形状のラティス形状がどのような挙動を示すのかを均質化解析を用いて確認します。
解析の目的と概要
Multiscale.Simのモデリングテンプレート機能を用いてラティス形状のユニットセルを作成します。ここでは図1に示す6種類のラティス形状を解析対象とします。各ユニットセルのX、Y、Z方向1辺を10mmとし、構造部分が占める体積含有率を30%に統一してモデリングしています。つまり、ラティスを用いない均質材料と比較して70%の軽量化を実施していることになります。以降では図1に示すように各モデルをモデルA~Fと記載します。モデルA~Cは各方向に対称形状ですが、D~FはZ方向には異なった形状を持っています。このため、D~FはX、Y方向とZ方向で材料の剛性が異なることが予測できます。
関連情報
関連する解析事例
MORE関連する資料ダウンロード
MORE-
冷間鍛造解析による事前可視化
~Ansys LS-DYNAによるソリューション~
-
切削熱を伴う切削加工解析
~Ansys LS-DYNAによるヘルスケア分野ソリューション~
-
動脈硬化による血管内部の状態可視化
~Ansys LS-DYNAによるヘルスケア分野ソリューション~
-
SDGsとカーボンニュートラル実現へ向けた CFDによる水素バーナの燃焼解析
CFDによる水素バーナの燃焼解析
-
シリコンウェハ汚染予測ソリューション
-
~解析精度向上につながる~ 適切な材料特性の選定・取得ソリューション
-
【全記事】CAEのあるものづくり vol.41
ユーザー様インタビュー記事4件のほか、解析事例・製品紹介などの記事を1冊に集約した保存版
-
CMP(化学機械研磨)マクロスラリー 挙動解析ソリューション
回転パッド上のマクロスラリー挙動の解析ソリューション