解析事例
ESD試験環境モデルを使用した間接放電試験解析
こんな方におすすめ
- 製品試作前にESD試験の解析をしたい方
- 解析を活用することにより試作評価を効率化したい方
- 電子機器を設計されている方、製品開発を検討されている方
解析概要
静電気放電イミュニティ試験(IEC61000-4-2)の間接放電試験はシールドルーム内に設置した、垂直結合板と水平結合板に対して規定の静電気を印加してEUTの耐性を評価します。
これらの試験環境を含めた解析をするためには適切なモデリングが重要となりますが、Ansys HFSSは測定システムを含めたモデルが用意されており、試験対象となるモデルを用意するだけで静電気放電イミュニティ解析が可能となります。
図1.IEC61000-4-2試験解析モデルの例
図1はIEC61000-4-2の試験解析モデルの例で、ここではコーヒーメーカー内のプリント基板上の100MHzクロック信号が受けるESDの影響を解析します。
Ansys HFSSのライブラリに用意されているIEC61000-4-2の試験環境モデルには、垂直結合板と水平結合板と支持台が含まれており、これに EUTのモデルを配置し、(c)のEDSガンの波形を印加することで解析しています。
図2. プレーンのスリット形状
解析結果
ここではコーヒーメーカー内のプリント基板のGNDプレーン形状をスリット有無で変化させ、どのような影響があるか解析しています(図2) 。解析の結果スリットが3mmのケースではノイズが大きくなっていることが確認できます(図3)。
図3. ESDガン波形の入力による100MHzクロック信号波への影響
効果
Ansys 2020R1よりIEC61000-4-2の試験環境モデルが提供されたことで、これまで以上に効率的にESD解析が可能になり、試作前に解析を実施することでノイズ検証の効率化が行えます。