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解析事例

電磁界解析

5G通信用車載アンテナのMIMO評価

こんな方におすすめ

  • 車載アンテナのアンテナ特性を車体を含めて評価したい方
  • MIMOのアンテナ相関を評価し、アンテナ配置を検討したい方
  • 5G通信用のアンテナ設計をされたい方

5G通信用の車載アンテナを設計・開発する場合、アンテナの形状やサイズに加えて、アンテナの設置位置も重要な設計指標となります。MIMO 技術による通信容量の向上のためにはアンテナ間の相関が低いことが重要であり、車両のどこに配置するかによって相関特性も変わります。Ansys HFSSおよび付属するMIMO toolkitを使うことにより、アンテナ特性だけでなく、アンテナ間の相関係数の評価も可能となり、MIMOの効果を最大化するためのアンテナ設計に役立ちます。
※MIMO(Multiple Input Multiple Output)

解析概要


図1 アンテナモデル、車体のモデル、およびアンテナ特性

5Gで利用される周波数帯の3.7GHzを対象に、板状逆Fアンテナを車内に設置した場合のアンテナ特性およびMIMOの相関係数について評価します。使用するアンテナの放射パターンおよびリターンロスは図1に示します。Ansys HFSS Antenna toolkitでは、アンテナの種類を選択し、周波数を指定するたけでモデル作成、解析条件設定までを自動設定し、効率的なアンテナ設計をサポートしれくれます。本評価ではアンテナを (1)フロントガラス上部に並列に設置する場合と、(1)フロントガラスおよびリアガラスの上部にそれぞれ設置する場合の2種類の設置形態でアンテナ間の相関係数の違いを評価します。

解析結果(放射パターン)


図2 設置形態(1)および(2)の放射パターン

放射パターンおよびMIMO toolkit

設置形態(1)および(2)に対するアンテナの放射特性は図2に示します。さらに、MIMO toolkitを使うことにより、アンテナの相関係数も簡単に算出することが可能です。図3の結果より、設置形態(1)より設置形態(2)の方が低い相関係数が得られているのが分かります。

解析結果(MIMO toolkitおよび相関係数)


図3 MIMO toolkitおよびアンテナ相関係数

効果

MIMOの効果を最大限に発揮するには相関係数を低くすることが重要です。Ansys HFSSを使うことで、車体のどこにアンテナを配置すればよいのか、そのときのアンテナ特性および相関係数を同時に評価でき、効率の良い車載アンテナの設計・開発が可能となります。


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