解析事例
薄肉成形品(樹脂製サンルーフ)の2色成形解析/多層成形解析(多層多色解析)
こんな方におすすめ
- 大型構造部材の樹脂化を検討したい
- 2色成形品/多層成形品のそり変形を評価したい
- プレス成形などの応用成形法を組み合わせて、最適な成形法を探したい
自動車業界における燃費向上・CO2排出抑制策として、部材の薄肉化や樹脂化など、車両の軽量化が進められています。フロントガラスやサンルーフのような薄肉大型部品を樹脂化することで、大幅な軽量化が期待できますが、一方その製造過程では新たな課題が生じます。
本事例ではそうした課題に対応する新たな応用化工法を開発・実用化するための、射出成形CAEシステムPlanetsXを利用した成形解析 (成形シミュレーション)をご紹介します。
概要
2色射出プレス成形の工程をCAEにより解析します。1次成形の射出圧縮/プレス成形では低圧で材料を射出して低歪を実現できるため、薄肉成形に向いている成形法です。
今回はサンルーフをモデルとして「透明樹脂のプレス成形」と「透明樹脂と周囲の連結部の一体成形」および「完成品のそり変形」を評価しています。
解析した内容は次のとおりです。
- 成形解析による樹脂の流動挙動や温度分布の解析
- 構造解析によるそりの評価
- 1次成形→射出圧縮/プレス成形解析
- 2次成形→2色成形解析(一体成型解析)
- 完成品のそり→構造解析
- 各工程の成形性の評価
Point
今回使用するPlanetsXでは、下記のような解析を扱うことが可能です。
- 1次成形で射出圧縮/プレス成形を扱う
- 1次側温度を2次成形に連携し、2次成形中の再溶融を予測する
- 型移動量と型圧縮力制御を考慮し、SMC等の成形解析をする
- 多層多色成形品のそり変形を評価する
解析モデル
寸法等、解析にあたっての条件は下記のとおり。
1次成形の型移動条件と解析結果
1次成形では、透明樹脂部分を射出圧縮/プレス成形で成形します。射出圧縮成形は、通常の射出成形よりも低圧で成形することができ、そり低減や光学性能の向上を図ることができます。
以下に解析結果を示します。
初期型開き7mm → 成形品板厚4mm/型移動条件:射出開始1.0sec後型移動開始/型移動速度3.0mm/4.0sec